ティムコ、26年11月期黒字転換予想、収益改善期待とTOB思惑で年初来高値更新の展開

2026年4月22日 07:54

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は、フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品分野ではフライフィッシングのパイオニアであり、アウトドア用品分野ではオリジナル衣料ブランドFoxfireを主力としている。また安全性と実用性を兼ね備えた国産の熊撃退スプレー「熊一目散」を販売している。26年11月期は増収・黒字転換予想としている。熊撃退スプレーの拡大を含めて、フィッシング事業、アウトドア事業とも好調に推移する見込みだ。第1四半期は2桁増収で各利益とも赤字縮小と順調だった。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。なお26年4月7日付で堅果シナジー投資事業有限責任組合より同社株式の一部に対する公開買付(TOB)を開始する旨の公開買付開始公告が公表された。これに対して同社は26年4月21日付で意見表明留保を決議した。株価はモミ合いから上放れの形となり、さらにTOBに対する思惑も材料となって年初来高値更新の展開だ。乱高下する可能性もあるが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることなどを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、自社オリジナルブランドのアウトドア衣料ブランドFoxfireを主力としている。

 25年11月期のセグメント別売上高はフィッシング事業が8億56百万円、アウトドア事業が23億40百万円、その他(不動産賃貸収入)が21百万円、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)はフィッシング事業が2百万円の損失、アウトドア事業が78百万円、その他が14百万円、全社費用等調整額が▲1億88百万円だった。

 なお全社ベースの売上高の新製品比率は12.2ポイント低下して44.9%、自社企画品比率は0.6ポイント上昇して95.0%となった。自社EC売上高(アウトドア用品に加えてフィッシング用品も開始)は22.0%増の1億51百万円、自主管理EC売上高(自社EC+ECモール等)は13.1%増の3億34百万円だった。輸出売上高(主にフィッシング用品)は0.3%増の1億57百万円、輸出比率は横ばいの4.9%だった。仕入金額は11.1%増の19億90百万円、仕入の輸入金額は19.3%増の2億10百万円、仕入の輸入比率は0.8ポイント上昇して10.6%だった。

■共同事業も推進

 21年11月に同社、スノーピーク、アイビック、アイビック食品の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開するキャンパーズアンドアングラーズ(以下、C&A)を設立した。その後、23年4月には複合リゾート「エンゼルフォレスト白河高原」内に、スノーピークの直営店スノーピーク白河高原とのコラボショップとして、フィッシングエリア併設直営店Foxfire白河高原を開業した。23年9月には、C&Aが体験型アウトドアショップ第1号店「C&A北広島店」(北海道北広島市)をオープンした。

 24年4月には群馬県上野村、上野村漁業協同組合、スノーピークおよび同社の4者が、上野村の地域循環共生圏の実現に向けた包括連携協定を締結した。関東でも屈指の清流として知られる神流川など、河川環境や自然環境といった村のフィールドを活かした体験イベントなどを企画する。なお25年3月にスノーピークとの資本提携を解消したが、業務提携は継続する。

■顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外展開を推進

 中期的な業績目標値としては、28年11月期売上高40億29百万円、営業利益1億97百万円、営業利益率4.9%、1株当たり利益(EPS)47円65銭、株主資本利益率(ROE)2.7%を掲げている。重点項目としては顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進する。この重点3項目の具現化に向けて25年12月1日付で組織変更(プロモーション、EC、海外展開の各チームを独立させて本社直轄)を実施した。

 顧客接点の強化では、部門個別に行っていたプロモーションを全体一体で実行するなど、新組織によってTIEMCO全体のプロモーション品質の底上げを図り、会員数を現在(25年11月期)の約6万人から28年11月期に10万人へ拡大(当初は29年11月期に10万人を目標としていたが、25年11月期の初年度目標を達成したため、最終年度目標を1年前倒し)することを目指す。なお3月28日に東京たま未来メッセ(東京都八王子市)で開催されるイベント「HIKERS SUMMIT」に出展する。

 EC分野の拡大では、自社ECと外部ECの連動による自主管理(自社+他社)ECの拡大、グローバルECの展開などの施策により、自主管理EC比率を25年11月期の10.4%%から28年11月期に約16%へ、さらに将来的には25%へ引き上げることを目指す。

 海外への展開では、フライ用品の輸出強化、ルアー用品の欧米市場向け拡大などの施策により、輸出比率を現在の4.9%から3年後に8.3%へ引き上げることを目指す。

 なお22年11月末時点の流通株式時価総額がスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況となったため、23年2月24日に上場維持基準適合に向けた計画書を発表、24年2月に計画期間の変更を発表した。企業価値の向上(時価総額の増大)に向けて業績の向上を図るため、基本戦略である顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進するほか、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化し、全社的な収益力向上に取り組むとしている。さらにIR活動をいっそう強化して、投資家や株主とのコミュニケーションを高める方針だ。25年3月にはスノーピークとの資本提携を解消(業務提携は継続)し、これに伴って同社株式の立会外分売を実施した。同社株式の流動性向上、株式分布状況改善などが期待される。

■26年11月期増収・黒字転換予想で1Q順調

 26年11月期の業績(非連結)予想は売上高が前期比11.0%増の35億72百万円で、営業利益が28百万円(前期は98百万円の損失)、経常利益が36百万円(同85百万円の損失)、当期純利益が16百万円(同1億25百万円の損失)としている。配当予想は前期と同額の12円(期末一括)としている。

 増収・黒字転換予想としている。熊撃退スプレーの拡大を含めて、フィッシング事業、アウトドア事業とも好調に推移する見込みだ。セグメント別売上高の計画は、フィッシング事業が17.3%増の10億30百万円、アウトドア事業が11.3%増の25億20百万円、その他が横ばいの22百万円としている。重点施策としてECの強化や海外展開の強化を推進する。

 第1四半期は売上高が前年同期比12.0%増の8億60百万円、営業利益が22百万円の損失(前年同期は37百万円の損失)、経常利益が19百万円の損失(同33百万円の損失)、四半期純利益が27百万円の損失(同39百万円の損失)だった。フィッシング事業、アウトドア事業とも2桁増収と順調に推移し、各利益とも赤字縮小した。

 フィッシング事業は売上高が10.3%増の1億84百万円、営業利益(全社費用等調整前)が12百万円の損失(同9百万円の損失)だった。フライ用品はフライフック(釣りばり)など一部の商品を除いて全般的に販売が苦戦した。ルアー用品は高価格帯のロッド(釣竿)を中心に国内販売が苦戦したが、ルアー(擬似餌)の輸出が伸長した。また25年5月に販売開始した国産の熊撃退スプレーが好調だった。利益面は円安や原価高騰による売上総利益率の低下、人件費をはじめとする各種経費の増加が影響した。

 アウトドア事業は売上高が12.7%増の6億70百万円、営業利益が2.5倍の39百万円だった。全体的に平均気温が高めに推移したものの、防寒着の需要期にあたる1月に気温が低下したことも背景に、ジャケット類や防寒小物の販売が好調だった。利益面は増収効果に加え、売上総利益率の改善も寄与した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積減少により売上高が18.3%減の4百万円、営業利益が22.9%減の3百万円だった。

 通期予想は前回予想(26年1月16日付の期初公表値)据え置いている。第1四半期は2桁増収で各利益とも赤字縮小と順調だった。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年11月末

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈している。

■株価は高値更新の展開

 なお26年4月7日付で堅果シナジー投資事業有限責任組合より同社株式の一部に対する公開買付(TOB)を開始する旨の公開買付開始公告が公表された。これに対して同社は26年4月21日付で意見表明留保を決議した。公開買付者から対質問回答報告書が提出され次第、速やかにその内容を精査し、公開買付者が26年4月7日に提出した公開買付届出書の内容その他の関連情報とあわせて慎重に評価・検討を行った上で、同社の賛否の意見を最終決定・表明する。

 株価はモミ合いから上放れの形となり、さらにTOBに対する思惑も材料となって年初来高値更新の展開だ。乱高下する可能性もあるが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。4月21日の終値は2050円、今期予想PER(会社予想のEPS6円46銭で算出)は約317倍、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約0.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS1763円06銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約68億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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