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日精鉱 Research Memo(5):大幅増収増益を見込み事業ポートフォリオ全体で安定した利益創出を確保
*12:05JST 日精鉱 Research Memo(5):大幅増収増益を見込み事業ポートフォリオ全体で安定した利益創出を確保
■今後の見通し
1. 2026年3月期通期の業績見通し
日本精鉱<5729>の2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比59.7%増の40.200百万円と、過去最高水準の業績を見込む。営業利益は同47.3%増の5,300百万円、経常利益は同47.3%増の5,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同44.5%増の3,550百万円と、収益性・効率性ともに高い成長を計画している。中間期終了時点の営業利益進捗率は90.6%に達しており、通期予想の達成は十分射程圏内にある。
業績前提として、下期のアンチモン地金価格は第1四半期をピークに調整局面に入り、平均39,000ドル/トンを想定している。一方で、銅建値は第2四半期に比べやや軟化し、平均1,480円/kgを見込む(為替前提145円/ドル)。アンチモン相場は高値修正を経て安定化の兆しを見せるものの、販売価格の高止まりと在庫評価益の残存効果が収益を下支えする見通しである。
利益構造面では、アンチモン事業の高採算体質がグループ全体の利益率をけん引しており、営業利益率は13%台を維持する見込みである。金属粉末事業の減益影響を吸収し、事業ポートフォリオ全体で安定した利益創出を確保できる体制が整いつつある。
2. セグメント別の業績見通し
(1) アンチモン事業
2026年3月期のアンチモン事業の売上高は前期比86.6%増の29,500百万円、セグメント利益は同56.9%増の4,800百万円を見込む。第1四半期に急騰した国際相場は、依然として高水準で推移しており、販売価格上昇と高採算品構成が収益を下支えている。中国以外からの安定的な調達ソースも確保済であり、供給体制も盤石な体制と言える。
また、生産効率の改善と在庫評価益が利益拡大に寄与し、過去最高益更新が見込まれる。中瀬製錬所では、燃焼炉を電熱炉に転換するカーボンニュートラル対応投資を推進中(2028年3月期完了予定)であり、エネルギー効率の改善と環境対応強化により、中長期的な収益基盤の安定化が期待される。
(2) 金属粉末事業
2026年3月期の金属粉末事業の売上高は前期比6.6%増の9,950百万円、セグメント利益は同14.5%減の430百万円を予想している。中間期は米国関税影響などの影響もあり販売数量が減少したが、下期には自動車・電子部品分野での需要回復を見込む。AIサーバーやEV向けパワーエレクトロニクス用途など、高付加価値粉末の販売拡大が収益回復をけん引する見通しである。また、つくば工場では2026年9月にZEB Ready認証取得を目指した新事務所棟の竣工を予定しており、生産・開発機能の集約による効率化効果も期待される。中期的には電子材料領域へのシフトを進め、収益性の改善基調を維持する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)《HN》
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