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白鳩に構造変化 PB品比率上昇&歯愛メディカルの傘下入り
白鳩(3192、東証スタンダード市場)。女性下着を中心にネット通販を展開している。1965年に創業者:池上勝氏により靴下の職域販売会社として立ち上げられた。
【こちらも】白鳩は女性用インナーECの老舗企業
2014年4月に上場。上場時に「ネット市場の将来性に賭し、EC事業に取り組んだ」と知り、興味を覚えた。「賭した」のは、ネット黎明期の2000年代初頭。「時流に乗った企業」と受け止めたからだ。
公開時当初から「ワクワク、ドキドキ感」をヘッドコピーに、市場に立ち向かった。
だがホームページを覗くことはなかった。伝えられる収益動向が停滞していたからだ。原因は「メーカー品のネット販売」が主だった点に求められる。
そんな状況に僅かながら、変化が見られ始めた。2021年2月期の「1億7200万円の営業赤字」から22年2月期は赤字幅を3800万円に縮小し、23年2月期は期初予想から下振れたが「5700万円」の黒字に転換した。
決算資料は「競合他社との差別化を図るため、プライベートブランド(PB)商品の開発を進めてきた。新型コロナの影響は受けたが総売上高に占めるPB商品比率は27.6%に達した」としている。但し24年2月期は営業利益を期初想定の「1億1800万円から9300万円」に下方修正した。「節約志向の高まり・・・」と説明したが、根本的な回復は未だ・・・の感を余儀なくされた。
その一方でTOBにより筆頭大株主に歯愛メディカル(3540、東証スタンダード市場)が就き、連結対象会社となった。四季報の歯愛メディカルの業績欄は【上振れ】とし、「白鳩、回復が想定以上のニッセンともに通期寄与」と記している。
裏返すと白鳩は6万件超の歯科医院に「歯科向け商品」の通販を担う。収益構造の改革が期待できる。「歯科医院の女性スタッフ向けのインナー売上の増加効果が期待できる」とする見方もある。
記した様なPB比率増・歯愛メディカルの傘下入りによる「変化」は期待したいが、今後の推移を見守りたいとしか現状では言いようがない。ただ抱えている東証スタンダード市場の適合基準クリアに、PB商品/歯愛メディカル効果はプラスに働くことは事実。
本稿作成中の株価は280円水準。予想PER4・08倍。投資対象としての評価は低い。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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