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ジェイテック、26年3月期大幅営業・経常増益予想、価格改訂と需要増で利益構造が改善
ジェイテック<2479>(東証スタンダード、名証メイン)はテクノロジスト派遣の「技術商社」を標榜し、製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する技術職知財リース事業を展開している。中期目標としてテクノロジスト700名体制早期実現に向けた人材採用・教育の強化、長期目標としてM&Aや新規事業による強固かつ多角的な経営基盤の構築を推進している。26年3月期も大幅増収、大幅営業・経常増益予想としている。テクノロジストに対する需要が高水準に推移する見込みであり、価格改訂にも注力する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■技術者派遣の「技術職知財リース事業」を展開
製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を展開している。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別している。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。一般派遣およびエンジニア派遣事業については25年3月期より全業務を休止した。
なお上場市場については22年4月に実施された東京証券取引所の市場区分見直しで東証グロースを選択し、さらに自動車産業の盛んな東海地区での認知度向上に向けて23年12月25日付で名証メイン市場へ上場し、東証グロース市場との重複上場とした。そして25年5月14日付で東証グロース市場から東証スタンダード市場へ市場変更した。
■取引先は上場企業および優良中堅企業が中心
25年3月期業種別売上高構成比は自動車関連が21.5%、航空機・宇宙関連が4.0%、産業用機器関連が24.5%、精密機器関連が3.1%、情報通信機器関連が2.9%、電子・電気機器関連が8.2%、半導体・集積回路関連が6.7%、情報処理関連が14.7%、建築関連が10.4%、その他が4.0%だった。産業用機器関連が上昇傾向となっているが、これは半導体関連装置の増加によるものである。これを除けば特定の業種に偏らない構成となっている。
売上高上位顧客企業(順不同)はデンソーテン、ヤマハ発動機、本田技研工業、日立GEニュークリア・エナジー、ヤマハ、三菱重工業、東レエンジニアリング、MHIパワーコントロールシステムズ、オムロンLIXILだった。独立系の技術者派遣会社として、上場企業および優良中堅企業160社以上と幅広く取引があり、機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱として、業種別にも幅広く展開していることが特徴だ。
連結ベースの在籍テクノロジスト数は25年3月期末時点で388名となり、25年4月の新卒採用は43名だった。単体ベースの在籍テクノロジスト数は25年3月期末時点で230名となり、25年4月の新卒採用は6名だった。また単体ベースの平均稼働率(休職者を除く)の半期別推移は、23年3月期上期が95.6%で下期が97.2%、24年3月期上期が97.7%で下期が98.6%、25年3月期上期が96.5%で下期が97.8%だった。単体ベースの稼働時間(平均月間工数)の推移は23年3月期が177.3時間/人、24年3月期が175.5時間/人、25年3月期が174.9時間/人だった。単体ベースの平均単価(知財リース)の半期別推移は23年3月期上期が4465円で下期が4498円、24年3月期上期が4729円で下期が4715円、25年3月期上期が4886円で下期が4854円となっている。なお新卒採用のテクノロジストは下期に向けて稼働が本格化する。
■テクノロジスト700名体制の早期実現目指す
成長戦略としては、中期目標としてのテクノロジスト700名体制の早期実現に向けた人材採用・教育の強化、長期目標としてのM&Aや新規事業による強固かつ多角的な経営基盤の構築を掲げている。
中期経営計画(26年3月期~28年3月期)では、最終年度28年3月期の業績目標値を売上高49億円、営業利益5億97百万円、経常利益5億97百万円、親会社株主帰属当期純利益3億28百万円としている。基本方針としては、持続的な成長に向けた収益基盤の強化、財務基盤の一層の強化と安定した株主還元、投資の拡大による成長の促進と多角的な収益源の確保を推進し、技術職知財リース事業の事業基盤をより強固なものとしつつ、事業の多角化により企業価値の向上・株主価値の向上を実現することを目指す。
持続的な成長に向けた収益基盤の強化では、能力を重視した厳選採用の継続によるテクノロジスト700名体制の早期実現、技術力と高いヒューマンスキルを兼ね備えた特長のあるテクノロジストの育成、グループ内連携による採用・営業の強化と効率化を推進する。財務基盤の一層の強化と安定した株主還元では、ROEに重点を置いた経営、配当等による株主還元の強化を推進する。投資の拡大による成長の促進と多角的な収益源の確保では、新技術分野へのアライアンスやM&Aへの注力、収益源の多角化による事業ポートフォリオ拡大を推進する。
22年1月には、リスキリングビジネスおよび空間ビジネスの新規事業領域として「まなクル事業」を発表した。独自の人材育成カリキュラムや最新技術に関するノウハウを基軸として生活支援コミュニティー・スペースを提供し、法人から個人に至るまで「働くこと」「学ぶこと」を支援するサービスである。23年3月期末の直営店は全国8拠点で、24年3月期はフランチャイズ出店を計画している。23年3月には「まなクル事業」の拠点を活用した上名古屋学区防災安心まちづくり委員会(名古屋市)との「大規模災害時における地域と事業所との支援協力に関する覚書」の締結を発表した。全国8拠点の「まなクル事業」を活用して社会貢献活動に貢献する方針だ。25年3月には「まなクル」で開講しているオリジナルカリキュラムが、経済産業省の第4次産業革命スキル取得講座の認定、および厚生労働省の専門実践教育訓練講座指定を受けた。
23年3月には日本ウインドサーフィン協会とオフィシャルパートナー契約を締結した。日本ウインドサーフィン協会のオフィシャルパートナーとして、大学生対象の種目である学連主催の主要な大会の振興を積極的に支援する。24年1月には神奈川県横須賀市津久井浜海岸沖で開催された「関東学生選手権」に協賛、24年3月には静岡県浜松市の舘山寺サンビーチ海岸・沖合で開催された「2024年度インカレ新人戦レース」に協賛した。また25年2月に神奈川県横須賀市の津久井浜で開催されたウインドサーフィンレース「プレ新人戦」に協賛した。
■26年3月期大幅営業・経常増益予想
26年3月期の連結業績予想は売上高が前期期比17.9%増の40億円、営業利益が21.5%増の4億円、経常利益が21.2%増の4億円、親会社株主帰属当期純利益が5.2%増の2億40百万円としている。配当予想は未定としている。
26年3月期も大幅増収、大幅営業・経常増益予想としている。テクノロジストに対する需要が高水準に推移する見込みであり、価格改訂にも注力する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価はモミ合い上放れの動き
株価は水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月10日の終値は255円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円97銭で算出)は約9倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS177円22銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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