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■木徳神糧と三菱食品、逆行高の先駆けとなる動き
食料品の消費税減税関連株に新たな動きが見られる。前週末には木徳神糧<2700>(東証スタンダード)と三菱食品<7451>(東証スタンダード・監理)が年初来高値を更新した。木徳神糧はコメ価格上昇による業績上方修正と株式分割発表でストップ高となり、三菱食品は親会社の三菱商事<8058>(東証プライム)によるTOBが発表された。これら食料品関連株は4月のトランプ関税ショック時に逆行高し、5月は高値調整が続いていたが、国会の消費税減税論議を見極めて再度の買い攻めが視野に入る。親子上場解消の流れやNTT<9432>(東証プライム)グループの動向も市場の注目点だ。
■コメ卸2社は揃って分割権付きで外国産米輸入の商社株は自己株式取得
物価問題の焦眉の急となっているのは、備蓄米放出にもかかわらず最高値追いが止まらないコメ価格の沈静化である。この価格高騰の業績メリットを受けるコメ卸2社は、揃って株式分割の権利付きである。ヤマタネ<9305>(東証プライム)は、今年5月31日を基準日に1株を2株に分割し、明13日には3月期決算の発表を予定し、前記の木徳神糧も基準日を6月30日としており、権利取り妙味を示唆している。また今年4月25日付けの日本経済新聞で報道された外国産米の輸入拡大の記事で取り上げられた兼松<8020>(東証プライム)、伊藤忠商事<8001>(東証プライム)、丸紅<8002>(東証プライム)、住友商事<8053>(東証プライム)も関連株の一角に浮上する。このうち伊藤忠商事と住友商事は、決算発表とともに自己株式取得を発表し、また丸紅は、自己株式の取得枠を拡大した。
コメ価格の高騰とともにスパーなどの大型量販店で目立つのが、パンの陳列棚の空きスペースが目立つ代替需要の拡大である。コメより相対的に価格が割安と節約志向の需要を引き付けていると推定され、製パン株の山崎製パン<2212>(東証プライム)、第一屋製パン<2215>(東証スタンダード)、製粉株のニップン<2001>(東証プライム)、日清製粉グループ本社<2002>(東証プライム)、日東富士製粉<2003>(東証スタンダード)、昭和産業<2004>(東証プライム)、鳥越製粉<2009>(東証スタンダード)などにも目配りは怠れない。
■一部で親子上場解消問題も絡む食品商社株は低PER・PBR
食品商社株では、三菱食品と同じポジションの親子上場解消問題を内包する伊藤忠商事系列の伊藤忠食品<2692>(東証プライム)が、年初来高値追いとなっている。それでも今3月期純利益は連続増益で連続増配を予定し、PERは14倍となお上値余地を示唆している。このほかラクト・ジャパン<3139>(東証プライム)、ヤマエグループホールディングス<7130>(東証プライム)、スターゼン<8043>(東証プライム)、正栄食品工業<8079>(東証プライム)、加藤産業<9869>(東証プライム)、太洋物産<9941>(東証スタンダード)なども低PE・RPBR水準にあり、スターゼンは4月相場では逆行高し、東証プライム市場の月間上昇率ランキングの第5位と健闘しており、再現期待を高めそうだ。
また今年4月の月間上昇率ランキングの上位には食品強化型のドラッグストア株もランクインしており、Genky DrugStores<9267>(東証プライム)やコスモス薬品<3349>(東証プライム)、さらにウエルシアホールディングス<3141>(東証プライム)と経営統合しイオン<8267>(東証プライム)が、株式公開買い付け(買い付け価格1万1400円)するツルハホールディングス<3391>(東証プライム)も、株式分割(基準日2025年8月31日、1株を5株に分割)を予定しているだけに人気再燃をマークするところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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