クリナップは24年3月期大幅減益、25年3月期は大幅営業・経常増益予想

2024年5月9日 09:32

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  クリナップ<7955>(東証プライム)は5月8日の取引時間終了後に24年3月期連結業績(4月30日付で下方修正)を発表した。売上高が計画を下回り、原材料・資材価格の高騰、販売価格改定効果の浸透遅れ、広告宣伝費や人件費の増加なども影響して大幅減益だった。25年3月期は拡販や原価低減を推進して大幅営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、4月30日の業績予想下方修正に対する失望売りは限定的だった。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期は大幅減益、25年3月期は大幅営業・経常増益予想

 24年3月期の連結業績は売上高が23年3月期比3.2%増の1279億82百万円、営業利益が57.5%減の12億82百万円、経常利益が49.2%減の18億09百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が41.8%減の14億68百万円だった。配当は23年3月期比5円増配の31円(第2四半期末13円、期末18円=普通配当26円+創業75周年記念配当5円)とした。配当性向は77.6%となる。

 計画(23年10月31日付の修正値、売上高1287億円、営業利益31億円、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益23億円)を下回り大幅減益だった。新設住宅着工件数減少やリフォーム需要伸び悩みなどにより売上高が計画を下回り、原材料・資材価格の高騰、販売価格改定効果の浸透遅れ、広告宣伝費や人件費の増加なども影響した。部門別売上高は厨房部門が4.3%増の1051億52百万円、浴槽・洗面部門が2.9%減の148億15百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が318億82百万円で営業利益が4億83百万円、第2四半期は売上高が316億53百万円で営業利益が5億64百万円、第3四半期は売上高が338億99百万円で営業利益が13億50百万円、第4四半期は売上高305億48百万円で営業利益が11億15百万円の損失だった。

 25年3月期の連結業績予想は、売上高が24年3月期比4.7%増の1340億円、営業利益が63.8%増の21億円、経常利益が49.2%増の27億円、親会社株主帰属当期純利益が9.0%増の16億円としている。配当予想については24年3月期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)としている。予想配当性向は71.2%となる。

 拡販や原価低減を推進して大幅営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、4月30日の業績予想下方修正に対する失望売りは限定的だった。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。5月8日の終値は734円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円53銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1571円31銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約275億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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