完成したはずのトンネルが実は張りぼて 実質作り直しに 和歌山で

2024年1月5日 15:48

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記事提供元:スラド

 和歌山県で完成したはずのトンネル内壁のコンクリートの厚みが規定の10分の1しかなく、ほぼ全ての工程をやり直す異例の事態が発生した。このトンネルは南海トラフ地震時などのアクセス確保を目的としており、津波被害が想定される地域にある(毎日新聞)。

施工不良が発覚したのは、同県那智勝浦、串本両町境の「八郎山トンネル」(全長711メートル)。県は2020年に一般競争入札を実施。2022年9月に完成して県に引き渡され、2023年12月に使用開始予定だった。ところが、施工したのとは別の業者が天井に穴を開けると、内部に空洞があることが判明。本来30センチであるべき内壁コンクリートの厚みが3センチしかない部分があるほか、全体の約7割で空洞が見つかる事態となったという。このため、風化や地震などでコンクリートが落下しやすくなる恐れが出ている。

さらに、トンネルを支える鋼材がほぼ全域で本来の位置に設置されておらず、約700本の全ての支保工を外して、工事をやり直すことが決まったとのこと。この再工事にかかる費用は受注業者が負担することになっているそうだ。

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