25日の香港市場概況:ハンセン1.8%安で反落、中国不動産セクター急落

2023年9月25日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 25日の香港市場概況:ハンセン1.8%安で反落、中国不動産セクター急落
週明け25日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比328.16ポイント(1.82%)安の17729.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が132.36ポイント(2.11%)安の6130.25ポイントとそろって反落した。売買代金は742億6060万香港ドルに縮小している(22日は1018億4720万香港ドル)。


米金融引き締めの長期化懸念が投資家心理の重しとなる流れ。米連邦準備理事会(FRB)は高金利を維持するとの見方が強まっている。ボウマンFRB理事は22日、「インフレ率は依然として高すぎる」と指摘し、ボストン地区連銀のコリンズ総裁は同日、「さらなる利上げを選択肢から排除していない」と述べた。また、中国不動産デベロッパーを巡る債務不安が再び意識されたことも、投資家心理を冷やす一因となっている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が6.5%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(27/HK)が5.4%安、同じくカジノの金沙中国(1928/HK)が5.2%安と下げが目立った。


セクター別では、中国の不動産が安い。上記した龍湖集団のほか、中国奥園集団(3883/HK)が72.5%(前営業日比)、中国恒大集団(3333/HK)が21.8%、融創中国HD(1918/HK)が10.8%、世茂集団HD(813/HK)が10.2%ずつ下落した。中国奥園集団は本日、決算発表の遅延解消など、売買再開に向けた条件を全てクリアしたことにより、約1年半ぶりに株式売買を再開。資金繰り不安のある同社と子会社のAdd Heroは、オフショア債務再編計画を進めており、準備は順調に進展しているという。また、JPモルガン・チェース(JPM)は先ごろ、中国不動産デベロッパーの2023年上半期バランスシートに基づいたランキングを発表。同ランキングでは、中国奥園集団が下位にランク付けされ、安全性リスクが高いと指摘されている。また、中国恒大集団は24日、主力子会社の恒大地産集団について、当局による立件調査を受けているため、新規債券発行の適格基準を満たせていないと説明した。経営再建に影響を及ぼす可能性がある。


中国証券セクターもさえない。広発証券(1776/HK)が4.2%安、華泰証券(6886/HK)が3.6%安、中信建投証券(6066/HK)が2.7%安、国聯証券(1456/HK)が2.1%安で引けた。


半面、医薬セクターは物色される。薬明生物技術(2269/HK)が2.5%、康希諾生物(6185/HK)が2.7%、中国神威薬業集団(2877/HK)が2.1%、山東新華製薬(719/HK)が1.6%ずつ上昇した。


一方、本土市場も反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.54%安の3115.61ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。ハイテク株、証券株、食品・酒造株、素材株、エネルギー株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬株は高い。銀行株、自動車株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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