【注目銘柄】ニチバンは年初来安値水準から底上げを窺う、粘着テープの値上げ実施で続伸業績の上ぶれ期待

2022年6月2日 08:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

ニチバン<4218>(東証プライム)は、安値水準からの底上げを窺っている。同社の今2023年3月期業績は、続伸が予想されているが、6月1日から各種粘着テープを10%以上値上げすることを発表しており、価格転嫁動向次第で業績の上ぶれる可能性があるとして売られ過ぎ修正期待の打診買いが入った。

ニチバン<4218>(東証プライム)は、安値水準からの底上げを窺っている。同社の今2023年3月期業績は、続伸が予想されているが、6月1日から各種粘着テープを10%以上値上げすることを発表しており、価格転嫁動向次第で業績の上ぶれる可能性があるとして売られ過ぎ修正期待の打診買いが入った。[写真拡大]

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 ニチバン<4218>(東証プライム)は、安値水準からの底上げを窺っている。同社の今2023年3月期業績は、続伸が予想されているが、6月1日から各種粘着テープを10%以上値上げすることを発表しており、価格転嫁動向次第で業績の上ぶれる可能性があるとして売られ過ぎ修正期待の打診買いが入った。6月から高齢者などを中心に4回目の新型コロナワクチンの接種も開始され、ワクチン接種の際の止血製品「チューシャバン」などの需要が高まることも、合わせて期待材料となっている。

■「ケアリーヴ」のキャンペーン効果が続き止血製品も好環境

 同社の今2023年3月期業績は、売り上げ450億円(前期比4.3%増)、営業利益25億円(同2.0%増)、経常利益26億円(同1.5%増)、純利益30億円(同65.8%増)と続伸が予想されている。メディカル事業では、鎮痛消炎剤「ロイヒ」や高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」のキャンペーン効果が継続し、テープ類では、行動規制の緩和で前期伸び悩んだオフィス需要が回復、工業品フィールドでは中食・内食向けの弁当・総菜の蓋を固定する「フードパック」が続伸、止血製品にもワクチン接種需要継続の好環境が想定されることなどが寄与するもので、純利益は、旧大阪工場を売却して特別利益が上乗せとなって大幅続伸となる。

 今期配当は、連結配当性向25%をメドとする基本方針に従って年間35円(前期実績30円)への増配を予定している。6月1日からの製品価格改定は、原材料価格、物流費、副資材価格が高騰し、急激なコスト増となっていることに対応するもので、この価格転嫁動向次第で業績が上ぶれ可能性もあり、その場合、純利益は、過去最高の31億9300万円(2019年3月期)を上回るかも注目される。

■PER11倍、PBR0.8倍の売られ過ぎ修正で年初来高値を目指す

 株価は、今年3月の旧大阪工場の譲渡益計上の発表で1800円台にリバウンドし、1600円台で下値を確認し、今期業績の続伸予想で1700円台にタッチしたものの、今期予想業績が市場コンセンサスを下回るとして再び年初来安値1607円まで下値を探り、底値固めを続けてきた。PERは11.1倍、PBRは0.85倍と売られ過ぎを示唆しており、底値買いから年初来高値1814円を目指す展開が有力となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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