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ビットコインの台頭と株式・ゴールドの三つ巴 ビットコイン暴落の先にあるものは 前編
とうとう、仮想通貨バブルが弾けた。仮想通貨バブルが弾けたというより、金融バブルの崩壊がとうとう始まったという表現がふさわしいのかもしれない。仮想通貨の代表であるビットコインは、4月中旬に、1ビットコイン約700万円の高値を付けた後、200万円ほど反落して約500万円になった。
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その後、約650万円まで150万円ほど値を戻した後、5月中旬より再下落し、たったの1週間で約350万円まで一気に暴落している。そして、その後は日々50万円ほどの乱高下を繰り返しているが、一連の値動きは決して「投資」対象としては健全ではなく、ただの「マネーゲーム」でしかない。
しかし、ここまで盛り上がりを見せた「マネーゲーム」が突然失速した理由は何であろうか?ビットコインの日足チャートを見ても、綺麗なカップウィズハンドル(もしくは、三尊天井にも見える)になっており、相場が下落局面になったことが良くわかる。
きっかけは、アメリカ電気自動車大手のテスラ社がビットコインでの決済の停止を表明したことなのだろうか。それとも、米中が暗号資産の規制を強化する動きを見せていることなのだろうか。どれも正解のようで、実は正解ではない。なぜなら、これらの値動きに関するニュースは、大抵は値動きを納得させるための後付けの材料であったり、ただ単に、会話の一部を切り取られただけであることが多いからだ。
そして、会話の一部が切り取られている場合、そのニュースが誘導的に利用されている可能性も否定はできない。実際に、先に述べたテスラ社のビットコイン決済停止発表と時を同じくして、同社のイーロン・マスクCEOは「法で定められた紙幣と暗号資産の争いがあるが、総合的に見て、私は暗号資産を支持する」「ビットコインの保有分は売却しない」とも述べているのである。
では、何が一番重要かといえば、これらのニュースをネガティブに受け取るか、ポジティブに受け取るか、受け取る投資家や大衆の心理がどのような状態であるかという「地合い」の問題であろう。この時期の「地合い」は「Sell in May and go away, don't come back until St Leger day(もしくはin September)」というアノマリーもあるように、5月から9月の間は決して芳しくはない。
しかしながら、今後この「地合い」が通例のようにどこかで好転するのかといえば、必ずしもそういうわけでない。この「地合い」の悪さが、世界の中央銀行のテーパリング(金融緩和の縮小)開始を懸念したものであれば、一時的な押し目ではなく、大きな転換期となる可能性があるからだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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