いちごの「再生エネルギー」REITの登場を心待ちにしたい

2021年5月17日 16:08

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 いちごのビジネスは「心築(しんちく)事業」「J-REIT事業」、そして「クリーンエネルギー事業」。ここまで再生不動産(中古建屋のリフォーム:心築)の売却、グループの運用法人への売却=J-REITへの組み入れが収益を牽引してきた。

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 だがここにきて、クリーンエネルギー事業の拡大が注目を集めている。入り口は2012年11月の、いちごECOエナジーの設立。新たな顔(第3の事業柱)として、この間積極的な姿勢を見せてきた。

 前12月期決算でみると、セクター別利益で約5%の12億7200万円を生み出すまでになっている。いちごでは、「ECOエナジーのビジネスも、不動産活用の一環という認識に基づいている」としている。

 具体的には、太陽光発電事業で推進されてきた。そして3月2日には、「初の風力発電事業が本格化」と発表している。周知の通り天候に左右されづらい風力発電は、再生可能エネルギーの中でも国策も注力姿勢を見せている1つ。

 稼働を開始したのは、山形県米沢市の「いちご米沢板谷ECO発電所」。地上78mのタワー上部に発電機や増速機を備えたナセルが設置され、風車の羽にあたる43mのブレードが取り付けられている。全高、約120m。年間出力量は、一般家庭約9130世帯の年間消費電力に相当するという。

 アナリストは「建設には、新生銀行の『新生グリーンローン』を活用した第1号案件。環境改善効果が認められる事業に限って融資される。金融機関が前向きな姿勢を示している『サステナブルインパクト』の取り組みの一環」と説明する。

 ちなみに、いちごが展開してきた太陽光発電所としては「いちご名護二見ECO発電所」や「いちご昭和村生越ECO発電所」、「いちご笠岡岩野池ECO発電所」などがある。

 「いちご名護二見」は沖縄県最大規模の風力発電所で、東京ドーム約3個分の土地に建設されパネル出力は8400kW。「いちご昭和村生越」は関東最大級の風力発電所で、出力は約4万3340kW。水上メガソーラーの「いちご笠岡岩野池」は、岡山県笠岡市の農業用溜池の水面に設けられており出力は約2600kW。太陽熱発電所に加え今回の風力発電所で、いちごの再生エネルギー発電所は52カ所となり総発電出力は約15万7410kWとなった。

 いちごは2月、「RE100(事業活動で消費する電力を100%、再生エネルギーとすることを目指すイニシアティブ)」に加盟し「脱炭素宣言」を表明した。長期ビジョン「いちご2030」でも「地域・地球に優しいクリーンエネルギー事業を進めていく」と明言している。その姿勢は、大いに評価したい。「再生エネルギーJ-REIT」の登壇も心待ちにしてみたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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