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ファーストリテなどの上昇で配当落ち分を吸収【クロージング】
*15:57JST ファーストリテなどの上昇で配当落ち分を吸収【クロージング】
30日の日経平均は小幅に4日営業日続伸。48.18円高の29432.70円(出来高概算13億4076万株)で取引を終えた。新規の手掛かり材料に欠けるほか、連日の株価上昇に対する反動や3月決算期末の配当落ち日とあって、買い見送り気分が強まっていたものの、指数寄与度の大きい銘柄などが相場を支え、前日の終値を挟んで小幅な値動きとなった。ただ、配当落ち分(約180円)を考慮しても、実質的には強い相場展開だった。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数は1500を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、海運と空運がともに3%超の大幅高となったほか、ゴム製品、機械など7業種が上昇。一方、保険、電気ガス、パルプ紙、卸売がいずれも2%超下落するなど26業種が値下がりした。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>が堅調。半面、KDDI<9433>、京セラ<6971>、エムスリー<2413>、バンナムHD<7832>が軟調だった。
3月期末配当の権利落ち日による影響から値下がりする銘柄が増加した。市場推計によると、きょうの配当落ちによる日経平均への影響は180円程度と試算され、この落ち分を指数インパクトの大きい値がさ株によって埋めた格好となった。また、新型コロナウイルスのワクチン接種の拡大による経済活動の正常化期待が相場を支える展開となっていた。一方、昨年9月から月末最終営業日が下落するというアノマリーが続いており、明日は弱含むのではないかという不安感は燻っていた。
悪影響が懸念されている米ヘッジファンド、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの株式デリバティブ取引をめぐる巨額デフォルト問題は、米国市場全体を揺るがす大きな問題には、ひとまずなっていない。ただ、アルケゴスの巨額損失に関する全体像が判明していないだけに、持ち高解消の動きが他のヘッジファンドに広がるのかどうか先行きを警戒する向きも多く、目先は様子見気分が強まりそうだ。《FA》
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