ネクイノ、新型コロナワクチンの接種予約・管理アプリを無償提供

2021年3月21日 16:07

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メディコネクトVSR予約・管理のイメージ(画像:ネクイノ発表資料より)

メディコネクトVSR予約・管理のイメージ(画像:ネクイノ発表資料より)[写真拡大]

  • メディコネクトVSRのサービスイメージ(画像:ネクイノ発表資料より)

 医療領域でのDXを推進するネクイノは19日、新型コロナウイルスワクチンの接種予約や管理が可能なアプリ、「メディコネクトVRS」の提供を開始すると発表した。アプリのベースには、ネクイノが昨年12月にリリースした、マイナンバーカードと健康保険証の情報をオンライン上で連携できるシステム「メディコネクト」を活用。ワクチン接種の現場を担う自治体向けに、無償で提供するという。

 ネクイノは、薬剤師・医師・歯科医師・弁護士等、医療及び関連法規分野に知見を持つ人材からなる医療テック企業で、2016年創業。メディコネクトの他には、ICTを活用したオンライン診療などを展開中。累計資金調達は20億円超で、ジャフコなどから出資を受けている。

■メディコネクトVSRの概要

 メディコネクトVSRは、メディコネクトで認証した個人情報と専用アプリを連携させ、ワクチン接種の予約や接種履歴を一元管理できるシステム。一般利用者は、モバイルアプリで登録、アプリ上でワクチン接種予約が可能。予約管理側は、アプリ経由の予約はもとより、LINEや電話経由の予約も含めて一括管理ができ、接種履歴も追える。情報発信機能もあり、予約方法の案内や、ワクチン接種前後に知ってほしい情報の提供などに活用できる。

 ベースとなるメディコネクトは、連携したマイナンバーカードや健康保険証の情報を個人認証に活用できるシステム。データサーバとのAPI接続により、医療機関や公共機関と情報共有ができる。それにより、医療機関では医師が検査履歴や服薬状況の把握ができ、重複した検査や投薬の回避につながる。公共機関では住民サービスの提供などに活用可能、今回のワクチン接種もその一環といえる。

 個人情報をオンラインに預けることに不安を感じるかもしれないが、メディコネクトはその安全性を説明。マイナンバーカードと健康保険証の情報を一旦まとめて暗号化し、細かく分割。さらに暗号化して分散保存する。そのため、万が一データの一部が漏洩しても復号化(暗号解除)ができず、本人のみ活用可能という。

 ワクチン接種にあたっては、厚生労働省でも接種状況の記録システム(VRS)を開発し自治体へ利用を要請。3月5日時点では準備中だったが、18日には河野ワクチン担当大臣がシステム概要の説明動画を配信した。これとは別に、厚労省はワクチンの配送・在庫等の状況管理システム(V-SYS)を開発し、昨年末から自治体に利用を要請。ワクチン接種の実行計画・実運営は自治体に任されている。

 メディコネクトVSRのアプリ配信は、4月上旬を予定。ネクイノは、引き続き自治体を含む関係者へヒアリングを行い、現場の問題や状況に応じたシステム最適化と仕組み構築に取り組んでいくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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