「本」に「医薬品」 飲食以外にも広がるデリバリー

2021年2月3日 15:32

印刷

ローソンによる「医薬品」デリバリーのイメージ。(画像: ローソンの発表資料より)

ローソンによる「医薬品」デリバリーのイメージ。(画像: ローソンの発表資料より)[写真拡大]

 コロナ禍で急激に利用者を増やしたデリバリーだが、飲食物以外を届けるサービスも出始めている。Uber Eatsはローソンと組んで医薬品の取扱いを2月4日から開始する。丸善ジュンク堂と協業し、「本のお届け便」を2月2日から始めたのはエニキャリだ。外出自粛が求められる中、お取り寄せのラインアップが充実し始めた。

【こちらも】コロナ禍で浮上したゴーストレストラン、クラウドキッチンとは

 ローソンは東京都内の3店舗で、OTC医薬品の配達を開始した。風邪薬や目薬、胃腸薬など49種類を届けてもらうことができる。専用アプリから店舗と希望の医薬品を選択し、説明事項を読んで確認ボタンを押すと注文できる。店舗では登録販売者が確認し、医薬品専用袋に入れてUber Eatsの配達員に渡す。

 ローソンによると、医薬品を手元にすぐ届けてほしいという需要は根強く、コロナ禍でさらにその需要が高まっていると言う。同社はフードデリバリーを1508店舗で導入しており、医薬品の取扱いは245店で行っている。この基盤を活かして、要望に応えた。医薬品のデリバリーサービスも、順次取扱いを増やしていく方針だ。

 丸善ジュンク堂も、都内3店舗の店頭在庫を自宅やオフィスに届けるサービスを開始した。本の通販サイト「honto」で購入し配送を依頼すると、エニキャリのスタッフが店頭で受け取りデリバリーする。自宅にいながら最短45分で読みたい本を手に入れることができる。

 もともと丸善ジュンク堂は、hontoで買った書籍をユーザーの最寄の店舗で受け取れる「店頭受け取りサービス」を展開している。できるだけ効率的に本を購入したいという消費者の意識がコロナ禍で高まり、その利用が増加。2020年2月と比較して12月は人数で約1.5倍、売上金額が約2倍に伸びた。これを受け、さらに踏み込んだサービスに着手した格好だ。

 外出自粛が求められ来店客が減る中、小売店は待っていても商品が売れない。デリバリーのプラットフォームと組むことで、消費者の利便性向上を図る「即時お届けサービス」を展開している。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連記事