新型コロナワクチン、人種によって効果の有効率変わる可能性 MIT人工知能研究所

2020年12月5日 20:40

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 マサチューセッツ工科大学(MIT)によると、現在大手製薬会社が発表している新型コロナウイルス用ワクチンの有効性は人種によって異なる可能性があるという。一番新しい発表では、ファイザーとビオンテック製のワクチンは95%の有効率が確認されたと報じられている。しかし、MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究者は、こうした有効率の主張には注意が必要だとしている(CSAILCNET)。

CSAILの二人の研究者は、モデルナとファイザーのものに類似したワクチンを、機械学習AI手法を使用して免疫反応の状況を調査した。その結果、細胞免疫反応を起こさないと予想される人は、治験に参加した白人以外の1%以下の範囲に集中していたという。自己申告によれば治験に参加した人の約10%はアジア人だったとされる。

この発表を行ったDavid K. Gifford氏は「考慮すべき他の要因はたくさんあるものの、私たちの予備的調査の結果は、黒人またはアジア人の祖先の人々が平均してワクチン無効化をしやすい要素があるのではいか」と推測している。ワクチンの検証は、適切な母集団全体でワクチンの有効性が測定されるよう、多様な遺伝的背景を持つ集団全体で確実にテストする必要があると述べている。この指摘では、モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ製のすべてのワクチンで同様の問題を抱えている可能性があるともしている。

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