日産・ノート、フルモデルチェンジ 日産の運命を左右する車種 注目点はバッテリー (1)

2020年12月1日 16:06

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新型ノートの発表。(画像: 日産自動車の発表資料より)

新型ノートの発表。(画像: 日産自動車の発表資料より)[写真拡大]

 日産自動車の再起がかかった新車の登場だ。日産は11月24日、新型ノートを12月23日に発売すると発表した。フルモデルチェンジである。新型ノートはe-POWER専用車であり、モーター駆動であるのでEVの走りを感じることが出来る。燃費は、トヨタ方式HVに比較すると少々劣るとされるが、街乗りでの使い勝手はEVそのものだ。2021年発売とすでに発表されている純粋電動車「アリア」と共に、日産の技術を代表する存在となろう。

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 モーター駆動では最初の1回転から最大トルクが発生するため、低速走行での力強さは格別だ。今回の新型ノートはAT車のクリープ現象(アクセルを離しているのに車両が動く)も再現している。発電のためにエンジンがかかるが、従来のエンジン車と違和感がないようにアクセル操作に従って回転を変えるようにセットアップされている。

 本来は、騒音や振動などが室内に伝わらないのであればエンジン回転数を変える必要はないのだが、それは小型で自由に配置できるマツダのロータリーエンジンの方に分があるようだ。エンジン回転の騒音・振動を抑えられれば、日本の交通事情の中では快適であるはずだ。

 もちろん、e-POWERの弱点もある。それは、旧型では最大速度140km/h程度までは使えるのだが、最高速度では「電費」が悪く、バッテリーがすぐに消耗してしまうことだ。また、それ以上の速度域ではギアを変えないとモーターのトルクがなくなってしまう。そのためミッションを積むことも考えられるのだが、日本の交通事情の中ではそれは必要がないであろう。

 モーターの高出力化とリダクションギアのギア比変更で200km/h程度には出来るはずだ。問題は「電費」、つまり航続距離だ。2021年に発売される純粋電動車アリアが高速巡行でどれほど実用性を持っているかによるが、やはり日本では100km/h巡行程度なので、e-POWERの方が実用性は高いであろう。

 バッテリーがなくなると発電しながら直接モーターを駆動するのだが、これまでのノートでは発電量が少ないようで、スピードが保てないようだ。そのためバッテリーを使い果たしてしまうとエンジンで発電しながらの走行となり、箱根のような上り坂を勢いよく昇り切れず途中でスローダウンしてしまう。速度無制限のドイツアウトバーンなどでは、ポルシェ・タイカンでさえ、全速では航続距離が極端に短くなってしまう。EVやe-POWERの最大の弱点である。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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