さくら、シマノ、グリーなど/本日の注目個別銘柄

2020年10月28日 15:46

印刷

記事提供元:フィスコ


<6305> 日立建機 2843 -132大幅続落。前日に上半期決算を発表、累計ベースの営業利益は109億円で前年同期比75%減となった。4-6月期の同87%減に続き、7-9月期も同63%減と収益低迷が続いた。鉱山機械事業などが想定よりも厳しい推移となっているもようだ。会社側では通期計画の400億円、前期比47%減を据え置いている。足元での中国の景気回復から、通期コンセンサスは会社計画上振れであったが、過度な期待感は後退する方向にも。

<4063> 信越化 14540 -90もみ合い。前日に第2四半期の決算を発表。7-9月期営業利益は934億円で前年同期比9.4%減、市場予想を30億円程度上回った。300ミリウエハの堅調な需要見通しなども示された。ただ、足元の株価が高値圏にあったため、一段の株価押し上げ材料にまではつながっていない。新たに公表された業績見通しでは、通期営業利益は3770億円、前期比7.2%減を見込み、ほぼ市場コンセンサス並みの水準だった。

<3064> MRO 5770 +350大幅続伸。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は144億円で前年同期比27.1%増益となっている。4-6月期の同19.5%増に対して、7-9月期は同36.3%増と、増益率は一段と拡大する格好に。好業績期待は高かったものの、収益水準の一段の高まりを評価する動きが優勢に。配送料比率の改善やロイヤリティ収入の改善などで、粗利益率の改善が市場の期待以上となっているようだ。

<2212> 山崎パン 1702 -157大幅反落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は109億円で前年同期比37.0%減益となり、通期予想は従来の200億円から158億円、前期比36.4%減に下方修正している。コンビニ向け製品の伸び悩み、デイリーヤマザキ事業、フレッシュベーカリー等小売事業における来店客数の減少が続いているようだ。180億円程度であった市場コンセンサス水準も下回る下方修正にネガティブなインパクトが強まる形へ。

<5486> 日立金 1461 -71大幅続落。前日に上半期の決算を発表、調整後営業利益は124億円の赤字となり、7-9月期も51億円の赤字を計上する形になっている。会社側期初想定線での着地になったもようだが、第1四半期は超過ペースであったとみられる。通期予想は従来の50億円の赤字から140億円の赤字に下方修正、工具鋼などの低迷継続などが業績下振れの主要因に。構造改革費用計上などで最終損益は460億円の赤字になる見通し。

<3632> グリー 564 +47大幅反発。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は16億円で前年同期比35.6%増益となった。前四半期は0.6億円の赤字であった。市場予想は9億円程度であったため、想定以上の収益改善として評価の動きが先行へ。売上は想定線であったため、営業費用などのコスト削減効果が収益増を牽引する形に。なお、ゲーム事業のユーザーのコイン消費額も第1四半期には底打ちの様相を呈している。

<3778> さくら 888 +148大幅続伸で上昇率トップ。前日に上半期決算を発表、営業利益は6億円で前年同期比47.5%増となった。従来予想の2.6億円を大幅に上回り、ポジティブなインパクトが強まった。リモートワークやオンラインビジネスの伸張に伴って、クラウド系サービスが順調に推移しているもよう。通期予想の7.4億円、前期比21.2%減は据え置いているものの、進捗率は81%に達しており、大幅上振れの公算は大きいとみられる。

<7309> シマノ 23750 +3450大幅続伸。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は543億円で前年同期比7.7%増益、7-9月期は同56.8%増と大幅増益に転じている。つれて、通期予想は従来の635億円から770億円、前期比13.2%増と一転しての増益見通しに上方修正。欧州における自転車部品の販売好調が業績上振れの主因、とりわけ、下期に入ってからは高額品の売上回復も鮮明化しつつあるもようだ。

<7741> HOYA 12795 +800大幅続伸。前日の取引時間に上半期の決算を発表、引き続き評価の高まる展開になっている。コア営業利益は433億円で前年同期比4.2%減益、第1四半期の同18.7%減から減益率は縮小し、市場予想も上回る着地になっている。31億円ののれん減損なども実施している。また、発行済み株式数の1.07%に当たる400万株、400億円を上限とする自社株買いの実施も発表、取得株式は消却を予定としている。

<6702> 富士通 12840 -780大幅反落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は400億円で前年同期比40.9%減益となり、530億円程度であった市場予想を大きく下回っている。国内ITサービスにおいて新型コロナのマイナス影響が強まったもよう。構造改革費用計上なども影響した。通期予想は2120億円、前期比0.2%増益を据え置いているが、携帯販社の譲渡益約250億円を織り込んでいるとみられる。《ST》

関連記事