タロウ ホリウチ 2020年秋冬コレクション 漆黒に浮かび上がる、新たなるブランド像

2020年9月9日 18:53

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記事提供元:ファッションプレス

 タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI) 2020-21年秋冬コレクションが発表された。

■ブランド10周年を迎えて

 2020年に、ブランドデビューから10周年を迎えるタロウ ホリウチ。次のフェーズへと移行する今シーズンからは、2018年に始動したメンズライン「ティー エイチ(th)」の原点である、シーズンレスでミニマルな哲学に共鳴した新しい女性像を描いていく。

■ブラックを主役にしたシンプルなカラー

 これまでアーティストからの刺激や時代感をインスピレーションに、多彩なカラーやプリントを採用してきたタロウ ホリウチ。しかしながら新たなる原点に経った今シーズンに選んだのは、ブラックと時折ホワイトを織り交ぜた極めてシンプルな色使い。いずれのスタイリングも単色で統一したモノトーンが基本となるが、ゆったりと落ちるドロップショルダーや、軽やかな生地がなびくシルエットなど、その随所にフェミニンなムードをほんのりとプラスしているのが印象的だ。

■実用的な機能面も

 また美しいテーラリングによって、シックな佇まいを実現しながら、シンプルな日常に溶け込む実用性も忘れてはいない。上品な光沢を放つスカートやパンツは、ストレッチ性のあるフェイクレザーで仕上げたことで、デイリユースで楽しめる快適な着心地を実現。また形が崩れにくいポリエステルサテンを選んだシャツや、しわ防止加工を施したロングスカートなど、忙しなく動き回る現代女性に嬉しい“美しく纏える”工夫も随所に詰め込まれている。

■漆黒に浮かび上がる“白鳥”のアートワーク

 ミニマルなカラーリングの中で、ひと際目を惹いたのが、ギリシャ・アテネを拠点に活動するアーティスト ロマーン・カディロンの“白鳥”をモチーフにしたアートワークだ。透き通るシアーなワンピースにプリントされた白鳥は、漆黒のパレットの中で、おぼろげに浮かび上がる幻想的な表情が印象的。木炭を使用したかのような、やや煤けたタッチによって、光と影の境目を曖昧にしたアーティスティックなムードを強めている。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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