高齢者講習会受けてきた! (3/3)  実際の道路と想定が違うのはなぜ?

2020年5月14日 07:20

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 高齢者講習では、私はさらに「ぼろくそ」に注意を受けた。それは、「片手運転」だった。ハンドルを握る時、ひじに十分余裕を持たせ「八の字」になるように両手でハンドルを握ること。これが正しいハンドルの握り方である。なぜかと言えば、飛び出されたような場合、急ハンドルを切ることもあるからだ。「片手運転」では、遅くなる可能性があるのだ。これは、レーシングスクールでも強く指導される。確かに、ドリフトで逆ハンドルなどを切らなければならない時、ハンドルの持ち方は重要だ。

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 基本的には、片手運転はやめたほうが良いのは当然。だが普段は、リラックスして運転したくなってしまう。講習会参加者の皆さんも、「普段やるよね!」と影で言っていた。「悪ガキの集まり」? いやこれはやはりベテランドライバーであることの功罪だ。

 講習会では「予測運転」が上手な人たちに出会ったが、皆さん「手抜き」のポイントを良くご存知なのだ。常に緊張していることはなかなか難しいので、「安全」と見越した時には「手抜き」をしている。高速道路の長時間運転などの時も、これは有効だ。だから、運転していて緊張すべき時を的確に判断する能力を持つべきだろう。出来れば、常に緊張していられれば良いと思う。

 そして、高齢者講習では気になる場面があった。一時停止して、わき道から出るタイミングを計っている車があった。自車はメイン通りを直進していたのだが、左側に障害物があり、それを正しくクリアする訓練の場所だ。その障害物の先のわき道から出ようとしている車だったのだが、自車は対向車がいるために障害物の手前で待っていた。そのため、普段なら間違いなく、先にわき道からの車が出ていたタイミングだ。しかし、教官の指示は自車が優先とのことで、とても違和感があった。

 わき道で待つ車がいる状態のまま、障害物をよけるため対向車線に一旦出て、本線に戻る時、怖い思いをしている自分があった。どうしても、わき道からの車が出てきて衝突する危険を感じるからだ。これも、「予測運転」の訓練のなせる業だ。無意識に他車まで含めた全体の流れを見通して、どう走行すれば安全なのかを確認しているのだ。それで、わき道の車が不必要に長く待つ状態では、いつ飛び出されるかわからない危険を体が感じていたのだ。

 高齢者講習を経験した後、長年訓練された「予測運転」を、もう一度実践に即して見直してみようと思った。しかし、実際の流れを無視した講習会は、かえって混乱を招く危険も感じた。さて、皆さんはどのように感じるのだろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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