4営業日ぶり反落も底堅さは意識される【クロージング】

2020年5月12日 16:15

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記事提供元:フィスコ


*16:15JST 4営業日ぶり反落も底堅さは意識される【クロージング】
12日の日経平均は4営業日ぶりに反落。24.18円安の20366.48円(出来高概算12億4000万株)で取引を終えた。11日の米国市場は、米国政府の新型ウイルス対策チームの数名の専門家が自主隔離に入ることを発表するなど、米政権内でのウイルス感染リスク上昇への警戒感からまちまちだったこともあり、利食い優勢の相場展開となった。

ただし、寄り付き直後に20293.97円まで下げる局面もみられたが、その後は底堅い展開をみせており、後場には20457.37円と上昇に転じる局面もみせている。大引けではプラス圏を維持できなかったが、小幅な下げであり、全体としては底堅さが意識された。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは海運、ゴム製品、空運、不動産、輸送用機器、パルプ紙、鉄鋼、銀行が軟調。半面、電力ガス、その他製品、医薬品、情報通信、食料品が堅調。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ホンダ<7267>、信越化<4063>、ブリヂストン<5108>、トヨタ<7203>が冴えない。一方で、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>、中外薬<4519>、花王<4452>が下支え。

トヨタが決算を発表し、今期の営業利益は8割減との予想が嫌気される局面がみられたが、225型のインデックス買いから値がさハイテク株などの上昇から、日経平均は大引け間際に本日の高値を付けている。方向感に欠ける展開ではあったが、底堅さは意識されていた。大引けではプラス圏を維持できなかったが、グローベックスの米株先物はNYダウがマイナス圏で推移していたこともあり、これに反応した格好だろう。

売買代金は2兆円を辛うじて上回っているが、決算発表がピークを迎えていることもあり、参加者は限られている。引き続き積極的な売買は手控えられそうだが、経済活動再開に向けた流れから押し目買い意欲は強いとみておきたい。また、トヨタは決算後の初動は大きく下落したが、急落後は下げ渋る展開だった。明日以降、アク抜け的な動きをみせてくるようであれば、市場全体のセンチメント改善にもつながるだろう。《CN》

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