国交省、車検証の有効期間を延長へ 2月28日~3月末を4月末へ

2020年2月29日 08:30

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新型コロナウイルスの流行を受け、政府は車検の有効期限延長を発表した。

新型コロナウイルスの流行を受け、政府は車検の有効期限延長を発表した。[写真拡大]

 国土交通省は28日、自動車の車検証の有効期限を延長すると発表した。新型コロナウイルスへの外出中の感染に対する懸念が高まり、車検のタイミングを逃す人も想定される中、政府の懐柔策により車検切れの不安を取り除く狙いだ。

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 今回の延長措置では、有効期限が2020年2月28日~3月31日の自動車を対象に、全国一律で4月30日まで特別に車検証を有効とする。有効期間延長を理由とした車検証の記載変更も必要なしとされた。28日には、北海道の鈴木直道知事が「緊急事態宣言」を出し週末の外出自粛を呼びかけるなど、外出を自粛している間に車検が切れる車も予想される状況と言えた。

 車検証には有効期間があり、多くの場合は2年ごとの更新となる。この期間は基本的に延長が認められず、有効期限が切れた車で公道を走ってしまうと、道路運送車両法違反という犯罪が成立する。その場合は6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金となるなど、車検の有効期間を無視したペナルティは重い。

 また、有効期限切れ後の車検は有料で仮ナンバー取得のうえ、車検サービスへの移動が必要である。車検証の期間満了後もその車を使うときは、国土交通大臣による継続検査も義務となるなど手間を要する。新型コロナウイルスの影響で車検切れをめぐる事態を強いられる人が続出しないためにも、今回の車検証の期間延長措置が助け船となった形と言える。

 国交省は今回の決断にいたった背景として、全国の運輸局などにおける集団感染のリスクも挙げている。現在年度末が迫る繁忙期として、運輸局に車検証更新を求める人が殺到し、集団感染が発生するリスクを懸念した形だ。感染のリスクを犯してまで車検更新を求める人が続出しないためにも、今回の車検証の特別延長措置は重要な意義を持つ。

 新型コロナウイルスの影響が車にも及んでいるが、一日も早い収束が待たれる。

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