NEC、小売向けにAIで需要予測し自動発注 業務効率化に食品ロス削減へ

2020年2月24日 17:33

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需要予測型自動発注システムの概要。(画像: NECの発表資料より)

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 NECは、スーパーマーケットをはじめとした小売業界に向けて、AI需要予測型自動発注システムの提供を開始する。購買データをはじめとした各種データから需要を予測、適切な量を自動発注することで、発注業務の効率化と食品ロスの削減が期待されるという。

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 まずは福島県を中心にスーパーマーケットを展開するリオン・ドール コーポレーション(以下、リオン・ドール)で2月より稼働を開始する。

 小売業界は近年、深刻な人手不足となっている。また、売れ残りの弁当や賞味期限切れの食品廃棄をはじめとした、食品ロスは社会問題となっている。特に日本は、食料自給率が先進国中最低であり、かつ世界最大の食糧輸入国である。

 また、賞味期限切れの食品を廃棄するために莫大な廃棄コストがかかるなど、企業にとっても利益の著しい低下を招く。このため、食料品を扱う小売業界にとっては、人手不足に対する業務改善と、食品ロスの削減に向けた取り組みが課題となっている。

 NECは、AI需要予測システムを用いて小売業界の業務効率化と食品ロスの削減に取り組む。このシステムには、NECのAIシステムである「NEC the WISE」の一つ、「異種混合学習」を使用。

 「異種混合学習」を用いることで、AIが曜日や天候、過去の実績をもとに店舗毎や商品毎に規則性を自動的に発見し、その規則に基づき、需要を予測するという。AIが予測した発注量を自動発注することで、業務の効率化と食品ロスの削減を実現する。

 またシステムで用いられているAIは、ホワイトボックス型であるため予測理由も明確になり、問題発生時の原因追及も容易としている。

 NECは、3カ月間に渡ってリオン・ドールの複数店舗でAI需要予測システムのシミュレーションを行った結果、人手による発注に比べ、欠品日数を6.5%改善、ロス金額を25~40%削減したという。リオン・ドールは2月から、千石店で需要予測型自動発注システムを稼働させた後、順次各店舗に導入する予定だ。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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