【日産、#助手席孝行の合言葉 「みぎあしは」】高齢者実車試験・サポカー限定免許 (2/2)

2019年12月21日 19:50

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(画像: 日産自動車の発表資料より)

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 来年の通常国会に提出される改正道路交通法案では、「75歳、または80歳以上」で「一定以上の違反」があったドライバーに対して「実技試験」を科すとしているが、これは出来るだけ若い年齢から「実車試験」を無条件に科すべきと感じる。

【前回は】【日産、#助手席孝行の合言葉 「みぎあしは」】「高齢者実車試験」2022年導入?(1/2)

 現在、75歳以上の人には免許更新時の認知機能検査を義務付けられているが、「認知症と診断」されなければ免許取り消しとはならない。実車講習はあっても、「試験」として免許更新を認めないことにはならない。これを無条件に「実技試験」で危険と判断されたなら免許取り消しと出来るようにしなければ、実効果は望めないだろう。

 しかし、これでは自動車教習所の実務がパンクしてしまう。現在でも「高齢者免許更新講習」は予約が取りにくく、免許更新者の全員を「実車試験」することは難しい情勢だ。海外の免許試験のように、一般道路での「警察官の同乗試験」にするなど、少しでも強制力のある試験が出来る体制が必要なのではないか。

 現在の案で実車試験の対象は、信号無視や大幅なスピード違反など、3年以内に重大な違反があったドライバーに限定している。年齢は75歳以上、または80歳以上のどちらかにしようとしている。75歳以上で過去3年に何らかの違反があったドライバーは約2割となっており、この人数が現状の「教習所での試験」とすると限界なのかもしれない。

 また、サポカー(緊急ブレーキなどの運転支援装置のあるクルマ)限定免許はだれでも選択することが出来るようだ。申請によって取得できるようにするそうだが、実際の問題としては、限定されていない人が自主的に選択することはあまり期待できない。やはり75歳以上など年齢制限を設けて、種々の「運転支援システム」装着を補助する制度を充実すべきではないのか?

 その時、メーカーが費用負担する制度も考えるべきであろう。さもないと、メーカーは「商売」と捉えてしまい、危険な車を販売している責任を感じることがないままになる。

 ゴミを出すならリサイクルまで責任を持つべきだし、CO2を排出するなら削減の責任を持つべきだし、危険があるなら安全に責任を持つべきであろう。すべてをユーザーだけの自己責任とするビジネスモデルの時代はもう過ぎた。メーカーが安全に対して責任を持ち、事故が発生すれば必ずなにがしかの責任を負うべきだろう。その意味で、「実車試験」の場所や試験官の手配など費用負担すべきと考える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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