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ボルボ・XC40のEV仕様発表 新設計BEVボディは安全設計満載
ボルボと言えば、ステーションワゴンで知られてきたスウェーデンのメーカーだ。最近では世界的SUVの波に乗り、SUVのラインナップを充実させている。
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通称はボルボ・カーズ、正式名称はボルボ・カー・コーポレーション(Volvo Car Corporation )である。1998年にアメリカ・フォード社に買収されたときは、大変残念に感じたものだった。さらにフォードの経営不振によって、1/3の値段で中国企業の「浙江吉利控股集団」に売り渡されたときは、これで伝統あるボルボも終焉か?と思った。
しかし、2010年の買収からボルボは生き返ったように新型車を整備し始め、その造りについても、伝統にこだわるところはこだわって新鮮な造りを見せている。内装の装備は、日本車を追いかけるように「お・も・て・な・し」にあふれ、気遣いが行き届いている。
スウェーデンと言えば武装中立の国で、スイスと同じく永世中立国である。核武装してでも中立を守る国策で、サーブの戦闘機は世界でも第1級の出来である。昔から特殊鋼の産地で知られ、上質の生産物を生み出す国であり、日本にとって馴染みを感じる国民性である。
自動車生産方式においても、ベルトコンベアー式生産ラインから、1人の組立工が移動式パレットに載せて多工程を受けもつ(多能工)方式を始めたことで知られている。「多種少量生産」であり「混流生産」に対応できる方式だった。
「ゆりかごから墓場まで」と言われた社会保障制度の行き届いた国であったスウェーデンだが、近年、経済状況が良くないことは誠に残念である。資本主義国であり、自由主義国だが、社会保障制度の行き届いた国策であるため「社会主義国」と言われていた。
クルマ造りにもそんなお国柄がでるもので、ボルボの車造りは「安全性優先」だ。今回のXC-40のBEVプラットフォームについても、大量のバッテリー搭載に対応して安全設計が見直されている。まず、バッテリーはアルミ押し出し加工のケースに収められ、車体中央部分に搭載され、周囲にクランプルゾーン(衝撃吸収帯)を設けて保護している。
ボルボ・XC-40は、アクティブセーフティ、つまり運転支援システムも充実させている。近い将来の完全自動運転装置のプラットフォームに成り得る構成を作り上げている。レーダーやカメラ、超音波センサーを複数統合して構成されている。これを拡張することで、自動運転車に対応する装置とすることを狙っているようだ。自動運転装置も量産を考慮して、モジュール設計が始まっているのかもしれない。
ドイツ車とも違った独特のしゃれたボルボ車の内装は、一見の価値は大いにあると見受ける。中国資本は十分な資金を用意し、仕事に口を出さないことを旨としているようだ。それによって復活を果たし、生き生きとしたボルボ社員の仕事ぶりが伝わってくる出来である。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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