日本人天体捜索者がさそり座に新星発見 5人が別々の観測で同じ星を

2019年9月24日 08:18

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発見者の1人である山本稔さんによる新星発見画像。 (c) 山本稔

発見者の1人である山本稔さんによる新星発見画像。 (c) 山本稔[写真拡大]

 国立天文台は9月18日、さそり座の領域に10等級の新生が発見されたと発表した。

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■新星

 「新星」というと新しい星が誕生したように聞こえるが、実際には終末期の星の変光である。

 恒星中心部の核融合反応で水素が消費されると、ヘリウムが中心部に溜まり水素の核融合反応がその外側で起こるようになる。そうなると星の外層は膨らんで赤色巨星となる。太陽の質量の約8倍以下となる恒星の場合、外層が流れ出て中心部が高密度の白色矮星となる。

 多くの恒星は連星系を構成するが、白色矮星と赤色巨星が連星となっている場合、巨星から流れ出たガスが白色矮星に引き込まれ、白色矮星の表面で爆発的に核融合反応を起こすことがある。

 このときに暗くて見えなかった星が、1万倍もの明るさで観測される。そのあと緩やかに減光して元に戻る。このような星を新星という。

 太陽の8倍以上の大質量星はその最期に星全体が爆発する。これは超新星と呼ばれ新星とは別の現象である。超新星は新星よりも激しく、急に1億倍以上も明るくなる。

 天の川銀河内の新星は、天の川の中心方向で多く発見されている。これは銀河の中心方向には恒星が多く、また、銀河中心に行くほど年老いた星が多いため、新星の現象が発生する可能性が高いからである。

■今回の発見

 9月15日の夜、5人の日本人天体捜索者が、さそり座に新星を発見した。この新星の位置はさそり座の尾に当たるλ星のやや北で、天の川銀河の中心にほど近い方向である。

 5人はそれぞれ別々に観測を行っており、個別に同じ新星を発見したものだ。追跡調査の結果、白色矮星の表面で核融合反応を起こした「古典新星」という分類の 新星であることが判明した。この新星には「さそり座V1707」という変光星名が付与された。

 新星はいつどこで発生するか分からないため、アマチュア天文家も含め天体捜索者による発見が現象の理解に大きく貢献している。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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