デンマーク、携帯位置情報の刑事事件証拠使用を2カ月中止

2019年8月29日 09:06

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記事提供元:スラド

 headless曰く、

 やや旧聞となってしまったが、デンマーク司法省は19日、今後2か月にわたって携帯電話の位置情報を刑事事件の証拠として使用しないことを発表した(ニュースリリースDRThe VergeThe New York Times)。

 この位置情報は携帯電話キャリアから提供された基地局の情報を元にしたものだ。6月には警察が位置情報の抽出に使用していたプログラムにミスがあり、不正確な位置情報が証拠となっていたことが報じられ、司法大臣のNick Hækkerup氏が解明を約束していた。プログラムのミスは昨年11月に判明し、今年3月までに修正されているが、携帯電話キャリアから提供された基地局情報にも誤りがあることが新たに判明し、今回の発表に至った。

 誤ったデータは遅くとも2012年から証拠として使われており、結審したものを含む1万件以上の事件で証拠の見直しが必要だという。検事総長は10月18日まで有罪判決や裁判前の拘置で証拠として携帯電話の位置情報を使用しないよう指示し、この2か月を問題の解明にあてる。基地局情報の提供を受けた2017年~2019年の事件75件について警察が5月に調査したところ、24件で元のデータと抽出されたデータに食い違いが見つかり、13件では位置情報が重要な証拠となっているため見直しが必要だと判断されたとのことだ。

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