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安川電決算に関心集まる【クロージング】
*15:56JST 安川電決算に関心集まる【クロージング】
10日の日経平均は反落。31.67円安の21533.48円(出来高概算11億3000万株)で取引を終えた。寄り付き直後に付けた21488.22円が安値、前場半ばに付けた21601.86円が高値となり、その後は前日終値を挟んでのこう着感の強い相場展開となった。パウエルFRB議長による議会証言を控えていることや、ETFの決算に伴う分配金捻出による売り需要の影響等を見極めたいとの模様眺めムードの強い相場展開だった。一方で、個人主体の物色意欲は根強く、東証2部、マザーズ、JASDAQは上昇している。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、海運、パルプ紙、鉄鋼、化学、機械、非鉄金属が軟調。半面、鉱業、精密機器、情報通信、水産農林、医薬品がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>、ソフトバンクG<9984>が重石となっている。一方で、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>が下支えした。
日経平均はこう着感の強い相場展開ではあったが、チャート形状としては5日線に上値を抑えられる一方で、21500円処での底堅さが意識されていた。25日線は緩やかに上昇しており、これを試す展開が意識されやすいところではあるが、乖離が縮小していることもあり、同線までの調整があったとしても大きな調整とはならず、反対に支持線として自律反発のタイミングともなりそうである。
また、パウエルFRB議長による議会証言を受けた米国株の動向が気掛かりであるが、フィラデルフィア連銀総裁は、米経済及び労働市場が堅調であることから政策金利を変更する必要性は無いとの認識を示していることもあり、利下げ期待の後退を米国市場は織り込んでいる状況であろう。円相場は1ドル108円80銭台と円安に振れて推移しており、日本株への影響は限定的とみておきたい。
また、ETFの決算に伴う分配金捻出による売り需要についてはピークを通過した格好であろう。機械的な売り需要が一巡するとの見方もされやすく、日経平均の21500円処での底堅さがみられているようだと、値ごろ感からの押し目買いも意識されてくるだろう。安川電<6506>は、決算への警戒から弱含みとなっているが、6月の工作機械受注額は、前年同月比38.0%減の988億円と、32カ月ぶりに好不況の目安とされる1000億円を割り込んでおり、工作機械株は売りにつながっていた。弱い決算は織り込まれていることもあり、決算後のアク抜けも期待されてきそうである。《CN》
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