主力大型株軟調で直近IPO銘柄などに個人マネーシフト【クロージング】

2019年7月3日 16:04

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記事提供元:フィスコ


*16:04JST 主力大型株軟調で直近IPO銘柄などに個人マネーシフト【クロージング】
3日の日経平均は反落。116.11円安の21638.16円(出来高概算10億株)で取引を終えた。2日の米国市場は上昇したが、米欧貿易摩擦への警戒感のほか、原油相場の下落が重石となった。利食い先行で始まった日経平均は、その後21700円を回復する局面もみられたが、為替市場での円高傾向や、主力ハイテク株などの下げも嫌気される中、後場に入ると一時21566.65円まで下げ幅を広げている。ただし、大引けにかけては短期筋の買い戻しも意識されており、21600円は上回って取引を終えている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1000を超えているが、過半数は占めておらず拮抗状態。セクターでは、石油石炭、鉱業、精密機器、非鉄金属、化学、ガラス土石が軟調。半面、水産農林、電力ガス、小売、空運、その他製品がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテスト<6857>、TDK<6762>、京セラ<6971>が軟調。一方で、ファーストリテ<9983>が1銘柄で日経平均を約64円下支えした。

日経平均はファーストリテに支えられた格好となり、底堅さが意識された格好ではあるが、主力大型株の弱い値動きが目立っており、神経質にさせている。3日の米国市場は独立記念日前の短縮取引となるほか、4日は独立記念日で休場となるため、海外勢のフローは限られる。ADP雇用報告や週末には雇用統計を控えていることもあり、商いは膨らみづらい。ファーストリテの効果から売買代金は若干膨れるとみていたが、東証1部の売買代金は連日で2兆円を下回っている状況である。明日以降は、より商いが細ることになりそうだ。

また、来週にはETFの決算における分配金拠出のための現物株売りが警戒されているため、これが通過するまでは押し目買いも入れづらい需給状況であろう。そのため、週内はリターン・リバーサル中心の商いといったところである。一方で、個人主体の中小型株については物色に広がりはみられていないが、直近IPO銘柄などを個別に物色する動きが活発化しそうである。《CN》

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