吉本芸人の闇営業問題から学ぶ副業のリスク

2019年6月30日 16:10

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 多くのテレビ番組にも出演していた人気芸人らが相次いで、詐欺グループや暴力団幹部の集まりに参加して金銭を授受していた問題が話題となっている。こうした反社会的勢力との関わりは、意外と身近に存在している。

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 芸人らも芸を披露するという業務を行っていたように、我々も何かしらの形で反社会的勢力に対して業務を行っている可能性もあるのだ。特に副業を行っているものは、その可能性が格段に高くなる。その理由を伝えていきたい。

●業務相手のスクリーニングができていなかった

 事務所を介して仕事を受けていれば、契約の相手方が反社会的勢力であるか否かを事務所がしっかりと判別してくれる。また事務所を介そうとしている時点で、不適切な団体からの声かけはほとんどないといってもよい。そのような相手方のスクリーニングを自ら行うためには、適切な判断と情報収集が必要になるため、今回のような問題が生じたのだろう。

●副業では信頼できる相手なのかわかりづらい

 サラリーマンが本業で勤めている会社とは、「雇用契約」に基づいて契約書を作成の上、様々な法律関係が生まれてくる。単純に雇用契約のほかにも、社会保険や税金関係などの手続きを会社側が行う必要があり、ステークホルダーが多数存在する。

 国や自治体への申請などがあり、常に第三者からみられている立場となるため、一定の信頼度がある。実際、雇用契約時に社会保険の話などが一切ない場合、多くの人が「この会社はおかしいのでは?」と思うだろう。

 しかし副業で主に行う業務委託契約の場合は、そうしたものはないため、やり取りを行う企業に対して違和感を覚えるタイミングが少ない。何も疑わないような人や、これまで契約や手続きなどを人任せにしてきたタイプの人は、格好の餌食になってしまう。

 副業が注目のキーワードになっているからこそ、あなたも狙われていると思ったほうがよい。「気軽に稼ぐことができる」「ちょっと良い話があるんだけど」という言葉に踊らされ、人生を台無しにすることがないよう、適切な相手と適切な仕事を行うようにしたい。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る

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