ミシュランとGM、乗用車向け「エアレスタイヤ」開発へ 2024年めどに発売

2019年6月15日 16:48

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ミシュラン アプティス・プロトタイプ。(画像:日本ミシュランタイヤ発表資料より)

ミシュラン アプティス・プロトタイプ。(画像:日本ミシュランタイヤ発表資料より)[写真拡大]

 ミシュランとゼネラルモーターズ(以下、GM)は、乗用車向けのエアレスタイヤ「ミシュラン アプティス・プロトタイプ」を発表した。今後、共同研究・開発に着手し、早ければ2024年に乗用車向けモデルを発売する予定だ。

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 世界中でパンクする車のタイヤの数は毎年2億本程度であるらしい。路上の障害物などのために損傷して廃棄されるタイヤ、整備が不適切であるために寿命が短くなるタイヤなども数えれば、もっと多くが環境への負荷となっていることであろう。

 そこで目下、各社がしのぎを削って研究しているのが「エアレスタイヤ」である。空気が入っていないためパンクすることがなく、メンテナンスの頻度も減少して車両の稼働率を向上。そして原材料コストを削減し、環境にもいいという新時代のタイヤだ。

 ちなみにこのエアレスタイヤ、市販の乗用車用ではないが、建設機械用のものであればミシュランによって市販化されたものが既に存在している(これは2019年中には日本でも発売されるとのこと)。

 ミシュランの「アプティス」であるが、アプティスはUPTIS、"Unique Puncture-proof Tire System"の略称である。複合材料による画期的構造により、運転上のリスクを大きく取り除くことができるという。

 アプティスは、2017年にミシュランが発表した「VISIONコンセプト」という経営戦略の一環だ。VISIONの4つの柱は、エアレス、コネクテッド、3Dプリンティング、そして100%の持続可能原料(再利用可能または生体材料)であり、この全てを実現することが最終的な目標である。

 アプティス・プロトタイプの研究は、まず「シボレー・ボルト EV」などを実験車両としてアプティスを装着、テスト走行などを行うことで進められるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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