AI導入は人材育成から始まる

2019年4月9日 12:37

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NECアカデミー for AI 全体像(画像: NECの発表資料より)

NECアカデミー for AI 全体像(画像: NECの発表資料より)[写真拡大]

  • AI教育サービス 教育体系イメージ(画像: 日立製作所の発表資料より)

 AI(人工知能)導入による業務改善、生産性向上は、企業に大きく期待され、あらゆる業態で導入が検討されている。導入成功の鍵は、企業内でのAIに関連するスキルや人材育成プログラムと言われ、AIシステム提供企業は、AIを理解できる人材育成サービスを相次いでスタート。大学もAI教育の学科新設が始まった。

【こちらも】AI導入企業、「導入成功」44% 導入後の統制が不可欠

■従業員のスキル、ツール、組織文化がAI活用を成功させる鍵

 日本マイクロソフト(東京都港区)は、IDC Asia/Pacificと共同でAIに関する調査「Future Ready Business: AI によるビジネスの可能性について」(2019年3月1日公表)を実施した。

 この調査結果によると、AI導入による生産性向上は、3年後の2021年に現在の2倍以上と期待されるほど現実的になっている。また日本マイクロソフトは、AI活用を成功させる鍵は、「従業員のスキル、ツールおよび組織文化である」と調査結果をもとに結論づけた。

■実践的なAI活用のための知識とスキルを習得「NEC アカデミー for AI」

 NEC(東京都港区)は、社会課題を解決できるAI人材を育成する「NEC アカデミー for AI」を4月1日から開講した。

 専門知識習得を目的とした研修とブートキャンプによるスキル習得、コンテストの実施やAIを学ぶ者同士が集うコミュニティも形成する構成だ。大学生向けのプログラムには、外部機関と連携したスキルチェックや実務体験ができるインターンシップ制度も整えられる。

■技術者が講師の体験学習「AI教育サービス」

 日立ソリューションズ・クリエイト(東京都品川区)は、AI技術者を講師とし、体験学習を含んだ「AI教育サービス」の販売を4月1日から開始した。

 AIを導入、または検討している企業が対象であり、様々な業務システムへの適用を目的としたカリキュラムが特徴である。教育イメージは、営業部門、事業部門、IT部門といった、組織、部門ごとに人材育成の目的と求める成果が達成できるカリキュラム構成である。

■日本初「人工知能科学研究科」立教大学大学院で開設へ

 立教大学(東京都豊島区)が、大学院の正規学科として日本初のAI学科を開設することが話題となっている。2020年4月、「人工知能化学研究科」を開設するのだ。

 教育結果として輩出される人材モデルは実践的なものとなっており、AIサイエンティスト、AIエンジニア、AIプランナー、AIプロデューサーと、AI導入現場での役割と必要知識、スキルを明確にしている。

■次世代に必須のプログラミング思考

 AIが人を助けライフシーンに登場する時代が到来した今日。2020年度から小学校教育で全面実施されるプログラミング教育は、これからの世代、次世代に必須となるプログラミング思考を養う学習と言えよう。小学校、中学校の義務教育、高校、大学、社会人教育と、日本の教育全般で、AIを活用する人材育成に向かっていくのではないだろうか。

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