東京海上HD、AIの専門人材育成プログラムを創設 東大・松尾豊准教授が監修

2019年2月19日 09:20

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 東京海上ホールディングス(以下、東京海上HD)は18日、AIや機械学習の専門人材育成に向けたプログラム「Data Science Hill Climb」を創設したと発表した。このプログラムは、東京海上HDグループにおけるデータサイエンティストの人材発掘、育成、評価を行うための体系的なスキームである。東京大学大学院工学系研究科・松尾豊特任准教授が監修しており、NABLAS、ALBERT、スキルアップAIの3社の協力のもとで実施される。

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 東京海上HDは最先端のデジタル技術の活用という方針のも、AIや機械学習を活用した保険業務の効率化のための仕組みや、事故予防のためのサービス開発に取り組んでいる。このようなサービスの開発には、保険業務を理解して必要なアルゴリズムを活用できるデータサイエンティストが必要だが、東京海上HDでは、その人材不足が課題となっていたという。同社では、これらの人材を社外から積極的に確保するとともに、社内人材の育成を促進するために、外部と連携しながら今回のプログラムを創設した。

 今回発表のプログラムは、日本国内におけるAI研究の第一人者である東京大学大学院の松尾豊特任准教授が監修した。プログラムは、確率統計や線形代数などの基礎数学、AIや機械学習モデルの理解やプログラミングによる実装、ビジネスに活用するための実践的演習など、200時間以上のカリキュラムで構成されている。これらのカリキュラムを基礎から体系的に習得させることで、AIに長けたデータサイエンティストを育成する。なお、プログラムの運営は、データサイエンスの人材育成経験を有するNABLAS、ALBERT、スキルアップAIの3社と協力して行う。

 このプログラムは2018年度中にトライアルでの運用を終了し、2019年度から本格的に運用を開始する。東京海上HDは今回作成した「Data Science Hill Climb」を広く社会に提供することも検討しており、また、新たなビジネスの創出や、事故発生の予防や損害額軽減のためのサービス開発に活かしたいとしている。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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