副業許可企業と全面的に禁止企業が拮抗 パーソル総合研究所調査

2019年2月16日 21:49

印刷

 パーソル総合研究所の発表によると、条件付きも含めて副業を許可している企業と全面的に禁止している企業の割合が拮抗していることが分かった。

【こちらも】正社員の約1割が副業中、4割が副業したい パーソル総合研究所調査

■副業の許可企業と禁止企業が拮抗

 15日、派遣事業などを行うパーソルホールディングスのパーソル総合研究所が「副業実態・意識調査結果【企業編】」を発表した。これは、従業員10人以上の企業に所属する人事担当者1,641人を対象として、またスクリーニングした副業許可企業300社と禁止企業700社から得られた回答を集計・分析したもの。

 企業の人事担当者1,641人に副業の許可状況を尋ねたところ、「全面的に許可している」は13.1%、「禁止していない(条件付きで許可)」は36.1%、「全面的に禁止している」は50.0%だった。

■ここ数年の許可は厚生労働省の影響も

 副業を許可した時期について、時期が明らかになっている219社に尋ねたところ、「ここ1年以内」は22.8%、「2~3年前」は29.2%、「4~6年前」は22.8%、「7~9年前」は10.0%、「10年以上前」は15.1%となっている。3年以内に許可した企業が約半数となっていることから、厚生労働省が2018年1月に行ったモデル就業規則の改定などにより、副業許可の動きが広がっているとみられる。ただし「許可した時期が分からない」と答えた企業は除外しており、相当数の企業で許可した時期が不明だったり、当初から禁止していなかったりする状況があることも伺える。

■設立年数が長い企業ほど副業禁止

 設立年数や企業規模でみると、設立年数が50年以上の企業では62.1%が副業を全面的に禁止(副業許可は8.4%)するなど、設立年数が長い企業で副業を禁止する企業の割合が高い。また企業規模では、従業員数が1,000人以上1万人未満の企業では59.2%が副業を全面的に禁止(副業許可は11.1%)するなど、規模の大きい企業の方が副業を禁止する企業の割合が高い。ただし、従業員1万人以上の企業になると全面的な禁止は54.5%と割合がやや低くなっている。

■副業禁止企業の7割が今後も禁止に

 副業を禁止している企業821社に対して今後の副業許可の動向を尋ねたところ、「今後も全面的に禁止していく予定」は70.9%、「奨励、推進はしないが、希望すれば認めていく予定」は26.8%、「奨励、推進していく予定」は2.3%と、圧倒的に副業禁止を続ける意向の企業が多い。
 副業禁止を続ける理由で最も多かったのは、「従業員の過重労働につながる」が49.2%。以下、「自社の業務に専念してもらいたい」が47.0%、「疲労による業務効率の低下が懸念される」が43.6%、「情報漏えいのリスクがある」が24.2%、「労務管理等の事務管理が煩雑になる」が19.6%、「人材の流出につながる」が14.0%などとなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事