横綱・稀勢の里 初日から3連敗 

2018年11月13日 20:04

印刷

 大相撲九州場所3日目、横綱・稀勢の里はこの日も結びで平幕・北勝富士に突き落としで敗れ3連敗。稀勢の里は2日目の妙義龍戦に続き、2日続けての金星供給。一人横綱として迎えた今場所、未だ初日の出ない苦しい展開が続く。

■北勝富士に翻弄され完敗

 3日目の結びも先に土俵に屈したのは横綱だった。

 立ち合いから左差しを狙うも北勝富士の右が邪魔をし遮られる。この日も序盤から激しい動きをみせ、回り込みながら相手を追い自分の形を作ろうとする稀勢の里。途中、痛烈な張り手をもらいながらなおも左差しを狙い、無理やり左をねじこもうとするところを逆に北勝富士の右わきで捕らえられ一気に威力を失った。

 直後に左からののど輪で突き上げられ、完全に上体が起きのけ反ったところを右からの突き落とし。力なく背中から土俵に落ちた。

 日々険しくなる仕切りでの表情とは裏腹に防戦一方のまま勢いよく転がる稀勢の里の姿に、もはや一人横綱としての貫禄は無かった。

■自らの形に固執し自滅

 勝ちが宿命付けられた場所でもあることに変わりはない。同じ様に際どい攻防の末、何とか勝ち星を拾っていった先場所のように、明日からの土俵で盛り返していくことも考えられる。ただ、この3日間、稀勢の里は一度も相手のまわしを掴めずにいる。特に左は連日のように読まれ、まともに差せていない。

 また体格では勝りながらも相手に跳ね返されるような場面も目立った。足は動いて前にも出ているはずが、その力を有効に活かしきれていない。2日目の妙義龍戦では相手の圧力に耐えきれず投げを打ったところを寄り切られ、この北勝富士との一番でも闇雲に左差しに固執しているようにみえた。

 自らの武器を封じられると攻め手を欠き、ここまで脆く崩れるとは本人のみならず、ファンも含め多くの人が想像できなかった事態ではなかろうか。

 持ち合わせていたはずの横綱として相手を受けて立つ落ち着き、勝負所を見極める冷静さは微塵も感じられない3連敗の内容だ。

 あまりにも重い初日から続く敗北。期待された「完全復活」が遠のいていく。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事