国際宇宙ステーションで空気漏れが発生、NASAが補修作業をリポート

2018年9月3日 11:05

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記事提供元:スラド

国際宇宙ステーション(ISS)で東部夏時間8月29日夜(日本時間30日朝)に検出され、翌日補修が行われた空気漏れについて、NASAがリポートしている(NASAのブログ記事)。

ヒューストンとモスクワのフライトコントローラーは東部夏時間29日19時頃、ISSで微量の空気漏れが発生している兆候に気付く。フライトコントローラーはデータを監視した結果、危険はないとして第56次長期滞在クルーを就寝させることを決定。翌朝定時に起床したクルーとともに、ヒューストンとモスクワ郊外のミッションコントロールセンターは空気漏れの発生場所を特定する作業を開始した。

ISSコマンダーのアンドリュー・フューステル宇宙飛行士をはじめとする6人の第56次長期滞在クルーは、ISSのロシア側セクションで広範な調査を実施。ロシア側のラスベットモジュールにドッキングしているソユーズMS-09の軌道モジュール(地球には帰還しない)に開いた直径2mmほどの穴が空気漏れの原因と特定する。カプトンテープによる仮補修により、午前中には空気漏れが減少した。
その後、ソユーズコマンダーのセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士がエポキシ樹脂を塗ったガーゼワイプにより穴をふさぎ、モスクワのフライトコントローラーがプログレス宇宙船MS-09から酸素をISSに供給してISS内の気圧を上昇させた。ヒューストンのフライトコントローラーは今後もISSの気圧監視を続ける一方、ロスコスモスは調査委員会を設置して空気漏れの原因を詳しく分析するとのこと。

ISSクルーは1日を通じて何の危険もなく、当日はそれ以上対応することはないと説明を受けた。翌31日は通常作業に戻り、クルーは週末をのんびり過ごす計画だという。

なお、AC0x01のタレコミによれば、設計者は微小隕石の衝突が原因だと考えていると、ロスコスモスのCEOがロシアメディアに説明したそうだ(BBCニュースの記事GIGAZINEの記事)。 

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