J・フロントリテイリング、大丸山科店を2019年3月末で閉店へ

2018年8月29日 21:11

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大丸山科店が入居するラクト山科ショッピングセンター(京都シティ開発など発表資料より)

大丸山科店が入居するラクト山科ショッピングセンター(京都シティ開発など発表資料より)[写真拡大]

 京都市山科区竹鼻竹ノ街道町のJR山科駅前にある商業施設「ラクト山科ショッピングセンター」の核店舗大丸山科店が、2019年3月末で閉店することになった。競争の激化から売り上げの減少が続き、営業赤字を食い止められなかったためで、跡地は京阪グループの京阪流通システムズに一括賃貸され、専門店街として再スタートを切る。

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 大丸山科店は1998年、京都市下京区にある大丸京都店の分店としてラクト山科にオープンし、核店舗の役割を担ってきた。当初は地下1階から地上4階までに売り場を設け、ラクト山科の売り場面積約1万4,000平方メートルの6割強を占める約9,500平方メートルの売り場を持っていた。売り上げもピーク時の2004年2月期に約59億円あった。

 しかし、近隣店舗との競争激化やインターネット通販の浸透などから、2010年2月期から営業赤字に転落した。2011年に3、4階の売り場を閉鎖して売り場面積を約5,400平方メートルに縮小したものの、赤字体質から脱却できず、2018年2月期では売上高約38億円に落ち込み、1億400万円の営業損失を出していた。

 これを受け、J・フロントリテイリングと傘下の大丸松坂屋百貨店は取締役会を開き、大丸山科店の営業終了を決議した。店舗の従業員8人は配置転換により、雇用を継続する。

 ラクト山科を運営する京都市の第三セクター京都シティ開発は、京阪流通システムズと大丸山科店跡のリニューアルを目的とした協定書を締結、跡地を京阪流通システムズに一括賃貸して新たな専門店街にすることを決めた。

 地下1階は精肉、鮮魚、青果、惣菜などの食のフロアとし、1階に生活雑貨やカフェ、2階に各種ファッション、インテリア雑貨の店を集める計画。2019年11月にリニューアルオープンする。

 ラクト山科はJR東海道本線、京阪電車京津線、京都市営地下鉄東西線が乗り入れる山科駅前にあり、山科区の中心市街地に位置する。京都シティ開発はリニューアルを新たな成長へのステップと位置づけ、山科区の中心にふさわしい店舗構成を目指す。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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