もっとも重い素粒子の質量起源もヒッグス機構と判明

2018年6月14日 21:07

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 CERNは、LHCでの実験によって、もっとも重い素粒子であるトップクォークとヒッグス粒子が相互作用することが裏付けられたと発表した(KEKのプレスリリース)。

 LHCでは、13TeVまで加速した陽子同士を衝突させ、そのエネルギーから発生した素粒子を検出する。今回、LHCのATLAS実験グループは、2017年までに蓄積されたデータの中に、ヒッグス粒子とトップクォーク対が同時に生成される反応が含まれていることを発見した。この反応が起こる確率は極めて低いが、ヒッグス機構から予測される確率と統計的に一致していた。

 2012年のヒッグス粒子発見の際は、弱い力を媒介するW粒子とZ粒子の質量起源がヒッグス機構であることが突き止められた。その後の実験で、物質を構成する粒子であるタウ粒子とボトムクォークの質量起源もヒッグス機構であることが分かっていたが、今回の成果により、さらにトップクォークの質量起源もヒッグス機構であることが判明した。

 今後は、もっと軽い素粒子の質量起源もヒッグス機構なのかどうかを調査し、なぜ素粒子に質量差があるのか、なぜ多くの種類の素粒子があるのかという謎の解明に迫っていきたいとしている。

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