ハザードランプを使おう 運転テクニシャンは自分の意思を早めに上手に伝える

2018年3月19日 09:11

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 静岡県警高速隊が「ハザードランプを使おう」と呼びかけ始めたようだ。静岡県では東名高速道路の箱根越えや新東名高速など、渋滞ポイントや運転の難しい場所もあり、県警も頭の痛いことだろう。速度の出しすぎが最も事故に結び付きやすく、悲惨な事故にもなりやすいことから、スピード検問に力を入れてきたのが警察の立場だ。しかし、「ハザードランプ」を使うことを呼びかけるのは、運転者に自主的に考えさせるなどの効果もあり、歓迎すべき動きだ。

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 これまで「ハザードランプ」の使い方として数十年前からある、「渋滞を後続の車に知らせる動き」は、「邪道」という意見もあったが一般に広く浸透しているはずだ。それは海外の運転経験、例えばアウトバーンなどでの習慣を持ち帰ったようだ。その意味では抵抗感のない呼びかけと言える。

 そもそも上手な運転と言えば、「自分の行動を周囲に早めに知らせる」ことがポイントだ。交差点手前でウインカーが遅い人をよく見かける。特に危険なのは、「ブレーキを踏んでからウインカーを出す」ことだ。明確に交差点が分かっているのなら後続車も予測できるのだが、分かりにくい交差点などでは、「急にブレーキを踏み、ウインカーを出して」も追突の危険が増す。

 また、譲りすぎる運転も危険が増す。優先道路を直進しているとき、わき道から出てくる車に譲る動作をすると、後続車が追突してくる危険が増す。さらには、急に店舗に入りたいときにブレーキをかけると、直進するものと予測している後続車に「予想外」の動作と受け止められることになる。安全運転には「ゆずる」ことも大事だが、「自分がゆずることを、早く周囲に知らせる」ことも大変大事だ。

 高速道路で渋滞にあったのならハザードランプを付けて、自車が減速することを出来るだけ早く知らせよう。そのためには「ブレーキを断続的に点灯する」つまり「軽くブレーキを数度踏み、それから本格的に踏み込む」ことが、第一に出来ることだ。自動車の構造で「ハザードランプ」のスイッチが手元にない場合も多く、手を伸ばす余裕もないことが多い。その時には警告の意味でブレーキランプを断続的付けるのが有効だ。その後、ハザードランプを付ければ、後続車に知らせることでは、これ以上できることはない。

 自車のこれから行う行動を、いち早く周囲に知らせておくことは、事故回避に欠かせない。丁寧な運転はもちろんだが、さらに、周囲のクルマとの「整合性を調整する配慮」が欲しいところだ。現代社会の「最も欠けている動作」でもあるのが興味深い。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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