田中裕子の演技に感服!「anone」第5話

2018年2月13日 07:07

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団らんの姿を見せるハリカたち(c)日本テレビ

団らんの姿を見せるハリカたち(c)日本テレビ[写真拡大]

■しんしんと心が鎮まるようなドラマ「anone」

 2018年1月から日本テレビ系列で放送されている「anone」の5話が2月7日に放送された。5話では4話までの怒涛の展開がウソのような導入からスタート。そして、ついに広瀬すずが演じるハリカの物語が徐々に始まっていくのを感じられる内容になっていた

【前回は】視聴率では計れない!大人な魅力が詰まった「anone」第4話

■亜乃音を中心に家族が生まれる

 亜乃音(田中裕子)のお金を盗んだるい子(小林聡美)と持本舵(阿部サダヲ)は、きちんと気持ちを整理するため謝罪に訪れていた。しかし、もうどうでもいい亜乃音はその意見を突っぱね、ハリカ(広瀬すず)を介して追い返そうとする。その会話の問答も虚しく、るい子と舵は無理矢理に焼うどんを作り、4人は家族のように食事を取り始める。

 しかし、その最中に亜乃音が働いている弁護士事務所の所長が来訪。どうにかして誤魔化そうとするるい子と舵は、ハリカとの3人家族を演じることを決める。ギクシャクな擬似家族はすぐ所長にばれていたが、彼らは楽しい晩御飯の時間を共に過ごした。

 帰る場所のないハリカだけでなく、亜乃音のことを気に入ったるい子と舵はその家に居ついてしまう。4人はひとつ屋根の下で歯を磨いたり食事をしたりくだらないことを話したり……。まるで家族のような暮らしをはじめてしまうのだった。

■ハリカの思い人である彦星の危機

 新しい生活に今まで感じたことのない感情を覚える中、同じ施設で育った彦星の病状は悪化しつつある。それでも治療法があると信じてやまないハリカだが、「明日にはもう目が覚めないかもしれない」と、自分の置かれた現状を厳しく伝えるのだった。

 何もできないまま時間が流れ、彦星の容態が悪くなってしまう。心配になったハリカは彼の元へ会いに行こうとするも、集中治療室に入ってしまい願いは叶わなかった。

 諦められないハリカは亜乃音の住む家へ帰らず、彦星のいる病室が見える場所で夜になっても立っていた。心配になった亜乃音はハリカの元へ向かうと、ついに彼女は彦星のことについて亜乃音に語る。何もできないと悟った彼女は亜乃音に帰ろうと告げるも、それを拒んで彦星の部屋が見える場所に立たせた。そして亜乃音は「何もできなくていい。その人を思いながらここにいなさい」と助言する。

■母娘のような2人が涙をこぼす

 娘を失った亜乃音と、母親のいないハリカ。この2人の距離がグッと近くなると共に、様々な「偽物」を通して人の温かさをハリカが獲得していく過程が丁寧に描かれている。とかく「anone」では幽霊や偽物の家族、お払い箱の会社員など、社会に求められない人が多く出てくる。だが、その人たちが「暮らす」姿はとても暖かく、私たちが忘れている大事なものを思い出せてくれるようなドラマだ。

 「anone」は水曜22時、日本テレビ系列にて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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