後場に注目すべき3つのポイント~短期的な仕掛け売りも意識される

2018年1月10日 12:36

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記事提供元:フィスコ


*12:36JST 後場に注目すべき3つのポイント~短期的な仕掛け売りも意識される
10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、短期的な仕掛け売りも意識される
・ドル・円は下げ渋り、値ごろ感で押し目買いが入る
・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は反落、短期的な仕掛け売りも意識される

日経平均は反落。53.54円安の23796.45円(出来高概算8億2000万株)で前場の取引を終えている。9日の米国市場ではNYダウ、ナスダック、S&P500指数は揃って最高値を更新しているが、半導体関連が利益確定の売りに押されていた。この流れから、東エレク<8035>、TDK<6762>などが売り優勢の展開となり、日経平均は小反落で始まった。

その後プラス圏を回復する局面もみられたが、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ソフトバンクG<9984>などもじり安基調となり、日経平均も下げ幅を広げる格好となっている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がり数は拮抗。セクターでは石油石炭、鉱業、海運、保険、銀行、輸送用機器、倉庫運輸が堅調。一方で、化学、精密、食料品、空運、建設、金属製品、ガラス土石、情報通信がさえない。

前引け段階でTOPIXは前日比プラスで終えており、後場の日銀によるETF買い入れへの期待は低い。円相場は1ドル112円20銭台と円高に振れて推移する中、利益確定の売りが出やすい需給状況になりそうである。指数インパクトの大きい値がさ株へは短期的な仕掛け売りも意識されよう。

もっとも、前日までの上昇でいったんは達成感も意識されやすいところであり、調整は想定内である。一方で押し目買い意欲は強く、下値の堅さは意識されやすい。また、決算発表が増えてきているため、次第に業績相場へシフトしてくることも考えられる。その他、全固体電池や仮想通貨関連の一角が動意をみせており、個人の物色意欲の強さが窺える。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は下げ渋り、値ごろ感で押し目買いが入る

10日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。日銀の金融緩和縮小への思惑から円買いに振れたが、ドルは値ごろ感による押し目買いにサポートされた。

足元では円金利の上昇を手がかりに円買いに振れやすい地合いとなり、ユーロ・円などクロス円が弱含みドル・円に下押し圧力がかかっているもよう。

ただ、ドル・円は一時112円10銭台まで弱含んだ後、値ごろ感による押し目買いで足元は112円30銭付近までやや値を戻した。高水準の米金利も支援要因。

一方、ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移しており、目先の日本株安継続を見込んだ円買いが観測され、ドルは112円前半でもみあいが続く可能性があろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は112円17銭から112円79銭、ユーロ・円は133円98銭から134円56銭、ユーロ・ドルは1.1928ドルから1.1948ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・アイスタイル<3660>やバーチャレク<6193>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>


■経済指標・要人発言

・カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「賃金を押し上げインフレを2%目標に戻すため、一段と低い金利を支持する」
「ビットコインを米国におけるドルの信頼できる競争相手とはみていない」
「仮想通貨ならびにその基盤となる技術が、世界中への富の分配を後押しできる可能性は確実にある」

・12月の米FRB公定歩合議事録
「(4日会合で)8地区の連銀が引き上げ要求、4地区が据え置き主張、結果は据え置き」
「(13日会合で)9地区の連銀が引き上げ要求、0.25%引き上げ2.00%に決定」
「シカゴ、セントルイス、ミネアポリスの各連銀が14日付での公定歩合引き上げ追認」

・ベネズエラ国会(独自集計)
「ベネズエラの2017年の消費者物価上昇率は2616%」(IMF:15年111.8%、16年:254.39%)

・ドイツ政府
「2017年の経済成長率見通しを2.2%に引き上げ(昨年10月時点は2.0%)」

・報道
「北朝鮮、韓国との軍事当局者会談開催に合意」」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・12:45 10年利付国債の入札結果発表

<海外>
特になし《DM》

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