9日の香港市場概況:ハンセン0.4%高と11日続伸、テンセント最高値更新

2018年1月9日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 9日の香港市場概況:ハンセン0.4%高と11日続伸、テンセント最高値更新
9日の香港市場は値上がり。主要51銘柄で構成されるハンセン指数が前日比111.88ポイント(0.36%)高の31011.41ポイントと11日続伸し、本土企業株で構成されるH株指数が20.49ポイント(0.317%)高の12255.68ポイントと8日続伸した。ハンセン指数は、約10年2カ月ぶりの高値を連日で切り上げている。売買代金は1334億100万香港ドルと高水準が続いた(8日は1337億7600万香港ドル)。

業績期待の買いが広がる展開。ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの上げが目立つ。金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.9%高、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.7%高で引けた。珠海市(広東省)と香港、マカオを結ぶ「港珠澳大橋」が今年5~6月に開通する見込み——と報じられるなか、マカオ訪問客が増加するとの期待が強まっている。販売好調が伝えられた香港・本土不動産株もしっかり。また、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は1.2%高の443.80香港ドルに続伸。上場来高値を更新した。

半導体セクターも買われる。ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.3%高、同業の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が1.5%高、ICパッケージング・テスティング機器最大手のASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.8%高と値を上げた。

他の個別株動向では、食用油メーカーの中国糧油HD(チャイナ・アグリ・インダストリーズ:606/HK)が1.1%高と続伸。決算期待の買いが広がっている。同社は8日引け後、2017年12月期(本決算)の業績予告を発表し、30億香港ドル(約430億円)の純利益を計上するとの見通しを示した(16年純利益は14億香港ドル)。

半面、セメントや鉄鋼など素材セクターはさえない。中国中材(1893/HK)が2.8%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.6%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.9%、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が1.6%ずつ下落している。「供給サイド改革」などの進展に対する期待感で、同セクターは直近で急ピッチに上昇してきた。

本土市場は8日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.13%高の3413.90ポイントで取引を終えた。消費関連株の上げが目立つ。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)は4.0%高の782.52人民元に上昇し、上場来高値を連日で更新した。同社の時価総額は9830億人民元(約17兆500億円)に膨らみ、1兆人民元の大台に迫っている。物件販売の好調が伝わる不動産株も堅調。保険株や空運株の一角も物色された。

【亜州IR】《CS》

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