躓きを生かした特異な医療機器企業マニー

2018年1月3日 05:34

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 マニーは特異な医療機器メーカーだ。主たる製品は「サージカル関連製品: 手術により切開された皮膚を縫合するアイレス縫合針。心筋梗塞の血管バイパス手術に使うマイクロナイフ。白内障手術の眼科ナイフ」「アイレス針関連製品: 木綿糸のような通り孔で糸を手術場で針に取り付けるアイド縫合針」「デンタル関連製品: 歯科用根管治療機器や歯科用回転切削器」だ。

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 特異分野の医療機器に足を踏み入れたのは、個人で業を興した創業者の松谷正雄氏の眼力。1950年代半ばから終盤期の医療現場での手術用縫合針は鉄製が主力。不便さを伴っていた。「錆」。そこで松谷氏が採用し開発したのが18-8「ステンレス製」アイド縫合針。ステンレスの使用はその後の同社の強みの礎となった。

 レーザーが米国で発見されたのは1960年。10数年後、アイド縫合針で活かしたステンレス針の技術を活用しアイレス縫合針の開発を実現した。同業他社に対し「安全性」で差別化を図るため「ドリルによる針の加工」ではなく「レーザーによる穴あけ」に取り組んだ。アナリストの間にはこんな声が強い。「言葉を選ばずに言えば、不幸中の幸い。ステンレス製のアイリス縫合針にはドリル加工ができない。研究に研究を重ね行き着いたのがレーザー加工。このレーザードリリング技術が、その後の武器にとなったといえる」。

 現在同社の製品はベトナム・ミャンンマーで生産され、世界120余カ国で販売されているが、どんな優良企業にも躓きはつきもの。それがまたその企業を一段と強くする。同社にも「躓き」はあった。「メス」の分野に進出しようとした時である。同社には針金技術はあっても、板金技術はなかった。要するに「畑違い」の世界に足を踏み入れてしまった。損失を被った。だがこの時点で同社は「培ってきた得意技術で勝負する。極細治療機以外やらない」と決め、その後は迷うことなく今日に至っている。

 「やらないこと」とし「医療機器以外扱わない」「世界1の品質以外は目指さない」「製品寿命の短い製品は扱わない」「ニッチ市場(年間世界市場5000億円程度以下)以外に参入しない」を掲げている。(千葉明)

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