NYの視点:円売り持ち増、今週の注目: 米税制改革採決、予算、Q3GDP確定値、BOJ

2017年12月18日 07:42

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記事提供元:フィスコ


*07:42JST NYの視点:円売り持ち増、今週の注目: 米税制改革採決、予算、Q3GDP確定値、BOJ
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は依然高水準で、円の下落余地を狭める。また、ユーロの買い持ち高は2007年5月来の最大に膨れ上がっており、欧州中央銀行の定例理事会後、ユーロが伸び悩んだ一因となったと見る。

今週は、米国の予算案や税制改革の行方に焦点が集まる。暫定予算案は22日に失効する。それまでに、2018年度の予算案で合意がなければ政府機関閉鎖の危機に直面する。一方、米国の上下議会両院で一本化された税制改革案が今週19-20日のうちに可決され、22日にも大統領が署名、法案成立の可能性が高まった。上院案に反対したコーカー上院議員が支持に回ったほか、子供の税額控除を巡り難色を示していた共和党のルビオ米フロリダ州上院議員も支持を表明したことが背景となる。ライアン議長は下院が19日に採決を行うと発表。上院は19または20日の採決を予定している。

米国の7-9月期国内総生産(GDP)確定値は前期比年率+3.3%と、速報値と同水準が予想されているほか、連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注目している1月のPCEコアは前年比+1.5%と、10月+1.4%から上昇が予想されている。来年もFOMCによる3回または4回の利上げが予想されており、ドル買い材料となる。

一方、日本銀行は金融政策決定会合で金融政策を現行で据え置くと見られている。黒田日銀総裁の会見で、今後の金融政策の軌道を探る。欧米で危機時の金融緩和を解消する動きが進められる中、日本銀行は追加緩和の思惑もあるなど、金利差拡大観測から円の軟調な推移が予想される。

■今週の主な注目イベント

●米国
19-20日:上院、税制改革案採決の可能性
19日:下院、税制改革案採決の可能性
21日:7-9月期GDP確定値:予想+3.3%(速報+3.3%)
22日:暫定予算案失効、11月PCEコア:予想前年比+1.5%(10月+1.4%)、
11月耐久財受注:前月比+2.1%(-0.8%)

●欧州
20日:EU、ブリュッセルで英国のEU離脱を協議

●日本
21日:日銀、金融政策決定会合:予想据え置き、黒田日銀総裁会見

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》

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