11日の香港市場概況:ハンセン1.1%高と3日続伸、平安保険は3.8%上昇

2017年12月11日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン1.1%高と3日続伸、平安保険は3.8%上昇
週明け11日の香港市場は値上がり。主要51銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比325.44ポイント(1.14%)高の28965.29ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成されるH株指数も142.05ポイント(1.26%)高の11431.62ポイントと続伸した。売買代金は1091億9000万香港ドルとなっている(8日は1154億3600万香港ドル)。

内外環境の改善で投資家のセンチメントが上向く。11月・米雇用統計の結果を受け、「2018年の利上げペースは緩やかなものになる」との観測が浮上したことを好感した。株式市場に資金の流入が続くとの見方も広がっている。本土株高も追い風。中国の政策期待が高まるなか、上海総合指数は段階的に上げ幅を拡大し、香港の各指数も引けにかけて一段高となった。

ハンセン指数の構成銘柄では、保険事業で中国2位の中国平安保険(2318/HK)が3.8%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.2%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.2%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.9%高と上げが目立った。

通信関連セクターも物色される。通信設備の中興通訊(ZTE:763/HK)と京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)がそれぞれ5.1%高、3.9%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が1.6%高で引けた。第5世代(5G)移動通信に対する期待感が強まっている。中国5Gをポジティブ評価する報告書は今月に入り、30本以上も公開されたという。

空運や海運の運輸セクターも軒並み上昇。中国南方航空(1055/HK)が7.4%高、中国東方航空(670/HK)が3.1%高、中国国際航空(753/HK)が2.6%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%高、中遠海運発展(2866/HK)が2.0%高と値を上げた。

他の個別株動向では、生命科学サービスの金斯瑞生物科技(ゲンスクリプト・バイオテック:1548/HK)が19.6%高と急騰。同社の子会社が申請していた「CAR-T(キメラ抗原受容体T細胞)療法」によるがん免疫治療薬の臨床試験に関し、国家食品薬品監督管理局(SFDA)の薬品審査センターが11日、申請を受理すると発表したことが刺激材料となった。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.98%高の3322.20ポイントで取引を終えた。ITハイテク関連株とバイオ医薬関連株が高い。消費関連株や自動車株、インフラ関連株、素材株、金融株など幅広く物色されている。

【亜州IR】《CS》

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