ソニーが実証実験を進める「SC-1」とは、どんな「クルマ」なのか?

2017年12月9日 10:02

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「New Concept Cart(ニューコンセプトカート)SC-1」(写真: ソニーの発表資料より)

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 「ソニー」という企業の名前を耳にしただけで、何となく気になると言う人は多いのではないだろうか。名前を聞くと人々を引き付ける、何かを期待させる、ワクワク感を抱かせてくれる得な企業である。そんなソニーの多様な商品を、車の装備品として活用するとしたらどんな車が出来上がるのか。そんな楽しい発想で生まれたのが、10月に発表された試験車両「New Concept Cart(ニューコンセプトカート) SC-1」である。

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 ヤマハ発動機のゴルフ用カートの車体を利用し、ソニーの人工知能(AI)技術やセンシング技術、MR(Mixed Reality)技術などを折り込んだスペシャルカーである。但し車はサイズも走行性能もゴルフカートのままで、乗車定員は3名、時速は0~19kmで、全長3140mm、全幅1310mm、全高1850mmと大人しい。次世代自動車が必要とする技術を検証するために、イメージセンサーやAIに係る要素技術の幅広い認知を期待して、多様な事業化の可能性も探ろうという目的も担っている。

 通常フロントガラスが設置される運転席前方には49型4K液晶ディスプレイを搭載し、車体の前後左右に配置した裏面照射型CMOSイメージセンサー(35mmフルサイズ)で撮影した映像をこのディスプレイ上に映し出す。前方のイメージセンサーで撮影した映像がディスプレイに映し出されると、搭乗者にとってはフロントガラス越しの外部風景と感じられる。車体の前後左右に配置した同じイメージセンサーの映像を、組合わせて表示することも当然可能である。ご自慢のイメージセンサーは車体周囲の遠方から周辺まで全てにピントを合わせて映し出すので、肉眼よりも鮮明に周囲の状況を把握することができる。さらに、高感度センサーの威力で明かりが十分でない夜間でも周囲の様子を見ることができる。

 実はこの車両は2代目である。2代目になって新たに2つの機能が追加された。一つ目が遠隔操作である。LTEによる移動通信機能を搭載しているので、イメージセンサーの映像を見ながら隔地からの遠隔操作が可能である。運転者にトラブルがあった場合なども、車外から安全に操作することが可能なのだ。さらに自動運転に対応させるため、2次元のLiDARや超音波センサーも搭載し、映像認識技術やクラウドとの連携によって、完全自動運転のノウハウを蓄積することが期待されている。

 2代目車両に導入されたもう一つの機能は、AIを利用した広告表示機能である。車外の人が車体を認識した時に目にする窓に相当する部分に、前後左右計4台の55型4K液晶ディスプレイを設置し、そのディスプレイの近隣にいる人物をイメージセンサーでキャッチした上で、年齢や性別等をAIで解析して、その人物に相応しいと思われる広告を映し出す。無駄のないピンポイントの広告がどんな効果を見せるのか、興味深い。

 ソニーは9月から沖縄科学技術大学院大学学園のキャンパスで、「SC-1」の実証実験を開始している。将来、商品として姿を見せることになるとすると、我々の常識を置き去りにした「クルマ」が出現するかも知れない。そう思っただけで”ワクワク”感が増大した。(矢牧滋夫)

関連キーワードソニー自動運転コンセプトカー人工知能(AI)ヤマハ発動機

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