”技術の日産”が復活!世界初の可変圧縮比エンジンを搭載した新型「QX50」発表

2017年12月6日 11:53

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インフィニティの新型「QX50」。(画像: 日産自動車の発表資料より)

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 日産は11月29日、同社の高級車ブランド「Infiniti」のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「QX50」に「世界初」の可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)エンジンを搭載した新型車を発表した。20年以上に渡る研究と開発期間を経て、燃費と走りを両立させた可変圧縮比(VCR)エンジンがいよいよ実用化された。開発に着手した当初の技術関係者の中には既に定年を迎え日産を退職した者もいるが、引き継がれた後進が世代を超えて開発を続け量産にこぎ着けたのだ。

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 同社の可変圧縮比エンジンは、エンジントルクを大きくしたいときに過給量を増やし、圧縮比を低くしてノッキング(異常燃焼)を抑え、燃焼効率を重視したいときには、圧縮比を上げるために圧縮比を14から8の範囲で無段階で変える。圧縮比とは、圧縮始めの気筒の容積と圧縮後の容積の比率を言い、大きいほど熱効率が高まる。排気量2.0Lで直列4気筒のターボ搭載直噴ガソリンエンジン「MR20DDT」の最高出力は200kW、最大トルクは380N・mになる。

 VCRの研究自体は、40年以上前から行われていたが、機構が複雑で開発へのハードルが極めて高く、これまで実用化された例はなかった。日産と同じような複リンク式のVCRを研究する他の研究者も、量産化は不可能と思っていた技術である。”技術の日産”という懐かしのフレーズを使った所以である。

 日産のVCRはピストンの支持機構と、その位置を変えるモーター機構に大きく分かれる。前者の支持機構は、「マルチリンク」と呼ぶ回転機構で構成され、ピストンを支持するコンロッドを3本のリンクとモーターに換え、モーターでピストンの上下位置を動かして圧縮比を変える。

 プラットフォーム(PF)も全面改良し980MPaの高張力鋼板を適用することなどで、先代モデルに比べてねじり剛性を23%向上させた。走行性能向上のため、空気抵抗係数(Cd値)は先代モデル比で6%削減した。車両寸法は全長4693×全幅1903×全高1679mmで、ホイールベースは2800mmである。

 現在のガソリンエンジンの最高燃費効率は、過去60年間の努力で30%から概ね40%まで引き上げられた。日産はVCRを活用して、今後10年程度の期間で熱効率が50%に達する発電専用エンジンの実現を目指す。過去60年間に成し遂げた燃費効率10%の向上を、今後10年間で10%引き上げるというまさに革新的なイノベーションと言える。

 日産の技術者は更に上の夢を目指す。エンジン熱効率をさらに10%引き上げて、発電所と同等の60%にしようというものだ。実現出来れば、一次エネルギーから車両走行まで(Well-to-Wheel)のCO2排出量は、発電所生まれの電気を電池に貯めて走るEVと、モーターを発電エンジンで駆動する車両が対等になる。イメージとしては、個々の車両に発電所を積んでいるようなものだ。道のりは長いが、VCRを手中に収めた日産は夢の実現に一歩近づいた。(矢牧滋夫)

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