欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米税制改正法案の審議を見極めへ

2017年11月24日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米税制改正法案の審議を見極めへ
今日24日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の金利正常化の不透明感を背景にドルが売られやすい地合いは継続か。ただ、来週の税制改正に関する審議を見極めたいとのムードが広がり、リスク回避的なドル売りはやや後退しそうだ。

22日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(10月31日-11月1日開催分)を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金利正常化方針に不透明感が広がり始めた。メンバー間の利上げに対する見解はおおむね一致しているものの、インフレの伸び悩みに関しては意見が分かれている。来年の利上げは市場コンセンサスの3回から鈍化するとの見方から、ドル・円は前日のアジア取引時間帯では一時111円07銭まで弱含んだ。

ただ、米税制改正法案の審議に不透明感があるものの、年内成立への期待からドル売りは仕掛けづらい展開となりそうだ。下院は16日、現行35%の法人税率を20%に引き下げる法案を賛成多数で可決した。医療保険制度改革(オバマケア)向けの補助金廃止で財源をねん出する上院の法案との調整は来週から本格化する見通し。足元では、上院共和党内では一部が法案に反対しており、調整は難航するとの見方が大勢を占める。

こうしたなか、ドル・円は本日午前の取引で111円20銭から本邦勢による押し目買いが強まったが、米税制改正法案の審議の不透明感から今晩の海外市場で引き続きドルは買いづらい展開となろう。ただし、節目となる111円を維持できればショート・カバーの動きが見込まれ、ドルは週明け以降にやや値を戻す展開となりそうだ。また、米10年債利回りが持ち直しており、目先も上昇基調が続けばドルの買戻しは続くかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・11月IFO企業景況感指数(予想:116.7、10月:116.7)
・18:30 英・10月銀行協会住宅ローン承認件数(予想:40650件、9月:41584件)
・23:45 米・11月製造業PMI速報値(予想:55.0、10月:54.6)
・23:45 米・11月サービス業PMI速報値(予想:55.3、10月:55.3)
・23:45 米・11月総合PMI速報値(10月:55.2)《CS》

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