欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米利上げ観測背景に押し目買い継続

2017年11月13日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米利上げ観測背景に押し目買い継続
今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。明日以降に発表される米国の経済指標を見極めるムードが広がるなか、連邦準備制度理事会(FRB)の12月追加利上げ観測を背景とした押し目買いが入りやすい地合いは継続しそうだ。

10日に発表された米国の11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は97.8と、予想の100.9と10月の100.7を下回ったことが嫌気され、ドル・円は113円22銭まで弱含んだ。ただ、NY市場は終値で113円半ばに値を戻すなど、下値の堅さが目立った。本日午前中に東京で講演を行ったハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は、FRBの12月利上げを「軽く予定に入れている」と発言。相場への影響は限定的ながら、市場に安心感を与えたようだ。足元では米税制改革に関する法案審議の行方について、なお不透明感が残るものの、ある市場筋は「議論が進展すればドルは目先114円台を回復するとみている」という。

今晩は重要イベントが予定されておらず薄商いが予想されるなか、明日以降に発表となる米国の10月生産者物価指数(14日)、10月消費者物価指数(15日)、10月小売売上高(15日)など主要経済指標に思惑が広がろう。特に、消費者物価指数に関しては前月から伸びがやや鈍化する見通しだが、FRB目標の+2.0%が意識され、ドルは売りづらい展開となりそうだ。10月下旬から低下基調が続いていた米10年債利回りがやや持ち直していることも、ドル売りを弱める要因。一方で米国株が調整含みとなっており、積極的なドル買いは手控えられるだろう。また、サウジアラビアの有力者の資産凍結問題やレバノン首相の辞任表明やその後の撤回など、中東情勢の不穏な動きにも警戒したい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・02:45 黒田日銀総裁講演(チューリッヒ)
・04:00 米・10月財政収支(予想:-580.00億ドル、16年10月:-458.31億ドル)《CS》

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