福島第一の燃料デブリ取り出し、当初は新規開口設けず既存の貫通孔で作業

2017年11月4日 08:56

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 2021年に開始が予定される福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出しについて、東京電力が計画を変更する方針を示しているという(テレ朝newsの記事)。

現在の中長期ロードマップでは、2021年までを「燃料デブリ取り出しが開始されるまでの期間」とし、2021年から燃料デブリの取り出しを行う方針とされている。今後の方針としては、まず小型ロボットを投入して小規模なデブリ採取を行っていくという。従来計画されていた、格納容器に穴を開けて大規模に燃料デブリを取り出す作業の時期については未定となる。

 報道の内容は10月30日に開催された第56回特定原子力施設監視・評価検討会で発表されたものとみられる。概要はPDFの8ページ以降に記載されているが、初期段階では新規開口を設けず、既存の格納容器貫通孔からアクセス装置を挿入し、把持や吸引等といった方法で小石状・砂状の燃料デブリを取り出す。その後、設備を強化しつつ取り出し規模を徐々に拡大していくが、新規開口を設ける大規模な取り出し段階については今後検討を進めるとのこと。

中長期ロードマップでも燃料デブリ取り出しは小規模なものから始め、段階的に拡大していくとされている。そのため、より具体的な計画が示されただけで、計画変更というわけではないようだ。

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