日本電産の永守会長は、実は株主主義者

2017年11月2日 11:07

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 「大きな変化点だ」と日本電産の永守重信会長は、いささか興奮気味に語ったという。10月24日の中間期決算発表の席上だった。改めるまでもなく日本電産は永守会長が常に懐に忍ばせた「M&A」という武器を軸に急成長を遂げてきた企業である。具体的にはHDD(ハードディスク駆動)などの精密小型モーターやブラシモーターやスピンドルモーターで世界首位の企業であり、アナリストの言葉を借りれば「第2・第3の精密小型モーター候補を幾多抱え込んでいる企業」である。

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 決算発表の席上で「大きな変化点だ」とした真意は、まさにアナリストが指摘したM&A戦略で育て上げてきた「車載及・家電・商業・産業用」部門が、4-7月期決算の営業利益で「精密小型モーター」部門を上回ったことに「してやった」の感で永守氏の口をついてでた「目違いはなかった」という宣言だった。この部門の注力への背景は、自動車の電装化という時の流れを先読みし「電動用パワステ技術の強化」をM&Aを軸に進めた永守氏の慧眼だった。中間期開示と同時に、通期の上方修正も発表した。史上最高純益予想も上積みされた。

 ところで自信たっぷりな経営姿勢や、その物言い一つからも永守氏には「ワンマン経営者」の冠がかぶせられている。だが私は証券界に「損失補填問題」の嵐が吹き荒れた際に日本証券業協会の「有識者懇」でただ一人、「証券会社の古き体質は非難されて当然。が企業側に全く問題・責任はないのか」と声高に叫んだ経済評論家:故三原淳雄氏から、「永守氏を単なるワンマンという奴は馬鹿だ」と聞かされた。「彼の本姓は、株主主義にある。株主に喜ばれる経営のメルクマールとして時価総額(株価×株式数)経営を徹底することに心血を注いでいる。それを実現するためには、効率よく成長過程を駆け上がる必要がある。発行済み株式の増加が必要だ。M&A戦略はそのために必須の武器なのだ」と滾々と解かれたことがある。

 その時「骨のある人は、骨のある人の真意を知っている」と痛感したものである。(千葉明)

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